【中】J10や87式や99式等について語る【国】★5

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595名無し三等兵
・中国空軍におけるSu-27SK戦闘機の整備維持問題
Su-27、Su-30、J-10といった新世代戦闘機の配備により、中国空軍の整備補給
方法は大きな変化が起きた。自然と搭乗員の訓練も進歩した。しかし、現在直面
している問題は、多機種を使用する事に起因する補給の複雑化と優秀な搭乗員
が依然として不足しているという点である。

H-6爆撃機は依然として爆撃機の主力を占めているがエンジンの老朽化により、
燃料消費が多い。台湾有事の際には、H-6航空師団の一回の出動ごとに、航空
燃料600t、爆弾180t、液体酸素1200kgを消費すると目されている。

1994、1995、1996、2001年に実施された台湾海峡での空軍の演習ではたかだか
3ヶ月の作戦にも拘らず、3万トンの物資が必要となり、1000台以上の貨車を使用
して物資補給を実施した。この膨大な物資の存在は、東南沿海部での演習で鉄
道が主要補給手段として使用される原因である。

現在の中国空軍は第2世代、第3世代戦闘機/攻撃機が混成状態にあり、各種弾
薬、燃料などがそれぞれ異なっており、捕球や整備に大きな負担をかけている。
空軍内部の情報によると、弾薬の種類は90種、航空燃料は150種類、各種航空
機消耗部品は1500種類に及ぶという。そのうち弾薬と燃料の多くはロシアからの
輸入となっている。Su-27/Su-30は、J-7/J-8の2.5〜3倍の燃料を消費する。中
国とロシアは国土が広い事によりSu-27/30の訓練は遠距離からの襲撃が中心
となる。中国空軍のSu-27は訓練時に、燃料を満載(9.4t)する方法と、任務に応
じて燃料搭載を減らす方法の2つを併用している。訓練の内容や任務での燃料
消費量を考慮すると、Su-27は一時間に2.5〜4tの燃料を消費する事になり、訓
練時間は1時間程度しか確保できない。

「漢和」が衛星写真による分析を行ったところ、Su-27の基地ではJ-8など第2世
代戦闘機の基地に比べて2〜3倍の燃料備蓄が行われて居る事が確認できた。
J-8一個連隊の燃料タンクが10000立方メートルなのに対してSu-27のそれは
17000立方メートルになる。燃料以外にも、Su-27は100時間の飛行で、純度
99.5%の窒素3000kgを消費するので、空軍ではフランカーを「公子哥児=お金
持ちの坊ちゃん(揶揄の意がある言葉)」と呼んでいるとの事。
596名無し三等兵:2009/05/02(土) 09:42:46 ID:???
台湾のミラージュ2000も燃料消費量の多さで空軍を悩ませているが、SU-27/30
の配備数の多さから見ると、中国空軍の悩みは深刻である。Su-27/30は空軍の
補給部門での大きな負担となっている。Su-27一機の戦闘力を維持するのに、2
〜3機以上のJ-7/J-8と同じだけの負担が必要となり、フランカーが増えれば増
えるほど補給問題が深刻となる。

「漢和」の台湾軍での取材では、中国軍の訓練には基本的に変化は無いが、第3
世代戦闘機が台湾海峡に登場する機会は2008年に比べて減少したとの事。この
原因については、Su-27/J-11Aのレーダーが旧式化して戦力としての価値が低
下した事のほかに、先に上げた補給問題が関わっている可能性がある。

このほか、中国空軍では優秀な搭乗員をめぐって民間航空会社との間で取り合
いが生じている。フランカー部隊の搭乗員は年間8万人民元の給料であるが、こ
れは民間航空会社に比べて大幅に安い。

SU-27/30の整備の負担は、フランカーの配備にも影響を与えている。中国西部
では寧夏回族自治区の銀川だけにSu-27が配備されている。これは、西部では
インフラが充実していないことから燃料輸送にコストが掛かり、大量に燃料を消
費するフランカーの配備が負担になるためとの事。空軍によるとSu-27の燃料1t
の値段は約600万人民元で、Su-27の出動を支えるには、各種車両が数十台必
要との事。

広東の第二航空師団では、夏には気温・湿度が非常に上昇する。これは寒冷地
での運用を前提としたフランカーには厳しい気候である。(台湾のミラージュ2000
も同様の問題を抱えている。)そのため、第二師団では他のフランカー部隊には
無い完全密閉式で温度と湿度を調整可能な格納庫を準備している。湿度は装備
の信頼性にも影響し、フランカーの光学照準装置(IRST)の寿命が大幅に減少し
てしまった。そのため過去四年間で、中国空軍は少なくとも4回に渡ってIRSTの
部品を追加購入している。
597名無し三等兵:2009/05/02(土) 09:46:11 ID:???
インドのマスコミでは、チベットにSu-27が配備されるとの情報があるが、Su-27
の配備数や補給面での負担を考えると、実施は困難と見られ、配備されるのは
J-7/J-8といった機体になるのではと思われる。もし、インドとの国境紛争が発
生した場合、インドに近い四川軍区にはフランカー部隊は存在せず、国境近辺
にSu-30MKIを配備しているインドに対して不利になると見られる。チベット高原
の酸素の少ない気候も、漢族パイロットにとっては克服すべき深刻な問題と見
られる。

Su-30MKKを装備する多用途戦闘攻撃部隊では、補給問題はより深刻である。
Su-27SK/J-11に比べて整備費用が掛かるだけでなく、対地対艦攻撃兵器の維
持整備も、Su-27の物よりも、より厳格でコストの掛かる整備維持が求められる
ためである。そのためSu-30MKK部隊では専用の武器保管施設を作って対応し
ている。これらの武器の整備では、ウクライナが生産しているGURTミサイル検
査システムが大いに役立っている。
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このあたりの問題は、中国が何故フランカーの調達を打ち切ってしまったのか
を考える上でヒントになる内容が含まれているように思われる。J-11Bでは、部
品の中国化が進められる共に整備問題についても何らかの対策が行われて
いる可能性が高いと見られる。少なくとも、主要部品を国内で調達できるのは
整備補給面で大きなメリットになるのは間違いないだろう