>>557の続き
艦上機の発進手順を確認しておきますと、母艦を風上に立てるのは、発艦に必要な
合成風力を得るためです。
通常は、約14m/sと言われています。
14m/s=50km/h=27ktですから、無風状態ならば27節を出さないと発進は
不可能。祥鳳の最大戦速は28節だから、ギリギリですね。
機動部隊が30節以上の高速艦で構成される理由がよく分かります。
海上で無風ということはまずないでしょうから、通常はだいたい25節くらいでしょうか。
14m/sという風力は、かなり強い風ですね。
台風の定義が「最大風速17.2m/s以上の熱帯低気圧」ですから。
甲板上の作業員を保護するため、前部昇降機の前方には「遮風柵」が立てられ、
準備作業を容易にする。
では、どうやって「風上」を知るのか。
実は、防空指揮所に風見鶏があって・・・というわけではなく、飛行甲板前端に
風向表示蒸気孔があり、そこから出る蒸気が艦首尾線に重なるように舵を切る。
記録映像などでお馴染みの場面ですね。
そして遮風柵を倒し、母艦の速力が25節を超えたら、「発進始め」
身軽な零戦ならば、滑走距離は100mもあれば十分でしょう。
ほぼ10秒間隔で先頭機から加速していく。