>>181の続き
索敵報告を受け、直ちに原少将は攻撃隊発進を命じます。
0522「敵航空部隊見ユ、南緯15度55分・東経175度5分、針路15度・速力20節」
「味方ヨリノ方位182度・163浬」(翔鶴艦攻・敵艦隊発見)
0545「敵航空部隊ハ空母巡洋艦各一隻ヲ基幹トシ、駆逐艦三隻ヲ伴フ、針路0度・速力16節」
「付近の天候晴、風向130度、風速10米、雲高800米、視界20浬」(同・続報)
0600 攻撃隊発進(指揮官:高橋赫一少佐)零戦18・艦爆36・艦攻24(計78機)
0610「更ニ油槽船一・重巡一隻見ユ」(同・続報)(敵空母部隊の南東25浬の位置)
>>152の通り、翔鶴索敵機が発見したのは「敵航空部隊」ではなく、
油槽船「ネオショー」と駆逐艦「シムス」の二隻。
なぜ、こうも間違ってしまったのか。その理由を『戦史叢書』では、
(1)出発時から既に空母以外には念頭にないので、油槽船の比較的平板な船型を
見て、直ちに空母と判断、報告したのであろう。
(2)索敵機が敵を発見した場合には、途中の雲を利用したり、視界内外に出入りして
触接を続けるのが一般的であるが、このような行動を繰り返すうちに、誤って同じ
目標を別個のものと判断したものと思われる。