南雲忠一中将を再評価するスレ(仁)

このエントリーをはてなブックマークに追加
100GF長官
>>92の続き

>>89にあるように、五航戦に続いて南下していた五戦隊(高木中将指揮)は、
1430時に反転北上。再び東邦丸と合同して補給を再開している。
この行動の根拠は、1300時の「情勢判断」によります。

全文引用は長いので、要約すると、
(1)敵情
「敵機動部隊はツラギ空襲後南下避退、我が索敵圏外を機宜行動」
「我が攻略部隊の進攻点を確認の上、再空襲を企図している」
「MO機動部隊は、まだ発見していない」

「敵機動部隊は、明7日早朝、ルイジアード諸島方面に来攻する算大」
「敵は我が攻略部隊の進攻点が東ニューギニア方面であることは予測している
 であろうが、ポートモレスビーであることまではつかんでいない」
「よって、ルイジアード諸島南方の珊瑚海上で、我が攻略部隊が進出して来るのを
 待ち受ける行動をとると思われる」
(註)ルイジアード諸島については、>>15参照

(2)味方情勢
「本日(6日)0900時以後、友軍航空機は触接を失し敵の動静は不詳」
「我が五航戦も南下進撃中だが、これを捕捉する公算は少ない」
101GF長官:2008/12/25(木) 22:08:46 ID:???
>>100の続き

(3)判決
「我(MO機動部隊)は未だ発見されず。
 明7日早朝敵を発見すれば先制攻撃の好機である」
「敵が本日出現位置(ツラギ南方420浬)の南方を行動をする場合、或いは
 ルイジアード諸島南方で我が攻略部隊を待ち構えている場合、いずれに
 おいても敵を確保するため、前者は当部隊で、後者はデボイネ及び攻略
 部隊の水偵をもって、明7日早朝より一斉索敵を実施する」
「当部隊は明7日早朝の索敵は、本日敵所在位置方向に実施。敵を捕捉し、
 これを撃滅するを要する」
「このため本日中に補給を実施する」              (『戦史叢書』)

高木中将の(1)(3)の情勢判断は、フレッチャー少将の思惑と全く一致します。
まさか「みらい」の資料室をのぞいてきたんじゃ・・・と思うくらい。
102GF長官:2008/12/25(木) 22:11:26 ID:???
>>101の続き

>>83のように、ツラギの大艇に発見された時(0830時点)での敵針は190度
つまり南下しています。その後、>>90に図示したように290度に変針。
これは、珊瑚海を北西に進み、明7日早朝にはルイジアード諸島南方海域に
到達し、南下してくる(であろう)日本軍攻略部隊の攻撃を企図したもの。

作戦計画では、ポートモレスビー攻略部隊がジョマード水道を抜け、珊瑚海に
進出するのは、7日夕刻の予定だった。
米機動部隊は、まさにそれを待ち構えるつもりだったのです。
そのフレッチャー少将の意図を、高木中将は正確に見抜いていました。

しかし万が一の場合も考えて、翌7日早朝の索敵はMO機動部隊が珊瑚海の東半分を、
6日にデボイネに水上機基地が進出しているので、それとMO攻略部隊の水偵をもって
珊瑚海西半分を索敵する。
米機動部隊が珊瑚海のどの場所で行動していようとも、確実に我が方の索敵の網に
ひっかかるはず。発見すれば直ちに攻撃隊を発進させ、これを撃滅する。

完璧じゃないか!
これで我が方の勝利は間違いなし。
そう確信しても決して驕慢とは言えないでしょう。

史実でそうならなかったのは、「偶然という女神の悪戯」であって、戦闘前の情勢判断
としては、これ以上のものは望めません。