【特攻】ここだけ太平洋戦争中のスレ6【玉砕】

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392名無し三等兵
昭和20年5月、レイテ沖海戦の勝者アメリカは太平洋戦争の仕上げとして硫黄島に上陸戦を仕掛ける
日本軍がその力を全て込めて要塞化した硫黄島
そこにはかっての栄光を取り戻すため、日本軍の多くの将校、兵卒が集まっていた
かってのアメリカの駐在武官 栗林 忠道
ロサンゼルスオリンピック金メダリスト 西竹一
元仙台陸軍幼年学校長 千田貞季
日本航空機草創の時代のパイロット 市丸利之助

かれらの他、井上左馬、阿部武雄等の歴戦の強者達
しかし、硫黄島の主兵装は火砲や軽戦車であり、航空兵力の配備は弱かった
又、補給物資は最低限。真に闘えるのはせいぜい2ヶ月くらいか…
その時、兵卒で溢れかえる地下壕の人だかりを掻き分けて司令部に向かう男が一人
全身に水を滴らせ、息も絶え絶えだが、眼光鋭く人々は気押され、彼のために自然と道が出来ていた
しかし、一介の兵卒を司令室内に入れるわけにはいかぬと彼を遮る警備兵。しかし、そのずぶ濡れの男は一喝した
その頃、司令部では小畑中将らの水際防衛策は退けられ、持久抵抗と戦いの方針は決まっていた
「飛行機、軍艦がもっとあれば勝てようものを……」
歴戦の将校達はこの硫黄島の戦力不足を嘆くと共に、其れ等らを乗り越え、アメリカ軍すらはねのける強い何かがあれば…と思わずにはいられない
初めはそれを、無尽蔵の精神力、大和魂に期待したものだが、もはや望むべくもない…そんな時だった
――バタン!!
司令室のドアを開き、ずんずんと上座に進む男。それはさっき、硫黄島に現れたずぶ濡れの男だった
「何者ぞ!!」
叫んだのはメダリスト、西竹一
しかし、彼の後ろの栗林や千田、いや、彼らだけでなく市丸や井上ですらその顔に驚きを浮かべ、ただ呆然とその闖入者の顔を見ていた
「お前は……」
市丸利之助がようやくといった感じで放った言葉に、貞季を初め、その場に居た将校達は皆、驚きの声をあげた
「海軍ガ島航空基地設営隊長、皇国の御危機を聞き、ガ島より  泳  い  で  参  っ  た  !!!」
393名無し三等兵:2009/01/20(火) 16:21:53 ID:???
南方戦線から敗残兵達が次々と泳いで硫黄島に集結していた。
その眼光は鋭く、眼力だけで敵兵を射殺さんばかりであった。