次期F-Xについて考えるスレ 24機目

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736名無し三等兵
1999年半ば、防衛庁で最後の「FSX(F2)開発室長」となった宮部俊一はある日、
防衛庁長官官房となっていた大古和雄から電話を受ける。
当時宮部は複合材を使ったF2の主翼に発生した微細な亀裂対策に奔走していた。

「また、何か言われるに違いない」そう覚悟して受話器を取り上げた宮部に大古が口にしたアルファベットは意外なことに「ATD-X]だった。
「実証機をどう進めたらいいだろうか」一方的にまくしたてる大古に宮部は違和感を覚えた。
二年後の2001年3月にはF2最初の飛行大隊を実戦配備することが決まっている。「今はF2でしょう」思わずそう返答していた。

当時の宮部にとって、国産戦闘機の将来は「いかにF2を育成するか」にかかっているように思えた。
今後、F2に生じるであろう様々な不具合を克服し、成熟させていくことが未来の戦闘機づくりの礎を作る。
にもかかわらず、F2が発展途上の段階でほかに目を移せばせっかくのノウハウ習得期間を無駄にするかもしれない。
そう信じていた宮部は内心、実証機開発を快く思っていなかった。

とはいえ、宮部が戦闘機の国産・自主開発に否定的なわけでもなかった。
F2を実戦部隊に送り出すという使命を通じて、改めて実感したことがある。
それは「部隊の運用をしっかりと支援できるかどうか」言い換えれば、有事の際に現場で作戦行動にあたる部隊が
「欲しい物を、欲しい時に、欲しいだけ提供できるかどうか」(宮部)だ。