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750名無し三等兵
2008年11月 5日 (水)  田母神・前空幕長の論文から思うこと

 石破 茂 です。 

 田母神(前)航空幕僚長の論文についてあちこちからコメントを求められますが、
正直、「文民統制の無理解によるものであり、解任は当然。
しかし、このような論文を書いたことは極めて残念」の一言に尽きます。
 同氏とは随分以前からのお付き合いで、明るい人柄と歯に衣着せぬ発言には好感を持っており、
航空幕僚長として大臣の私をよくサポートしてくれていただけに、一層その感を深くします。

 日中戦争から先の大戦、そして東京裁判へと続く歴史についての私なりの考えは、
数年前から雑誌「論座」などにおいて公にしており、これは田母神氏の説とは真っ向から異なるもので、
所謂「民族派」の方々からは強いご批判を頂いております
(その典型は今回の論文の審査委員長でもあった渡部昇一上智大学名誉教授が
雑誌「WILL」6月号に掲載された「石破防衛大臣の国賊行為を叱る」と題する論文です。
それに対する私の反論は対談形式で「正論」9月号に、渡部先生の再反論は「正論」11月号に掲載されています。
ご関心のある方はそちらをご覧下さい)。
 
 田母神氏がそれを読んでいたかどうか、知る由もありませんが、
「民族派」の特徴は彼らの立場とは異なるものをほとんど読まず、
読んだとしても己の意に沿わないものを「勉強不足」「愛国心の欠如」「自虐史観」と単純に断罪し、
彼らだけの自己陶酔の世界に浸るところにあるように思われます。

 在野の思想家が何を言おうとご自由ですが、この「民族派」の主張は歯切れがよくて威勢がいいものだから、
閉塞感のある時代においてはブームになる危険性を持ち、それに迎合する政治家が現れるのが恐いところです。
 加えて、主張はそれなりに明快なのですが、それを実現させるための具体的・現実的な論考が全く無いのも特徴です。
 「東京裁判は誤りだ!国際法でもそう認められている!」確かに事後法で裁くことは誤りですが、
では今から「やりなおし」ができるのか。賠償も一からやり直すのか。