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名無し三等兵:
【円・ドル・人民元 通貨で読む世界】米専用CD機にならない法
「いくら世界のためだといわれても、日本は米国のためのキャッシュ・ディスペンサー(現金自動支払機)
になるつもりはない」。ある日本政府要人は最近、米共和党筋にこう言い放った。
この要人は本来、強力な日米同盟論者だが、ブッシュ政権の北朝鮮に対するテロ支援国家の指定解除を機に
高まる日本国内の対米不信感情を深刻に受け止め、ワシントンから東京に寄せられる対米金融協力期待に対し、
「ノー」のメッセージを発信した。
米国発のグローバル金融危機に対して、米欧は巨額の公的資金投入計画を明らかにしている。
その規模は米欧合計、日本円換算で実に約360兆円に上る。国内総生産(GDP)比では
米7%、ドイツ20%超、英は30%に達しそうだ。国際通貨基金(IMF)によると、世界の金融資産損失見込み額は
約140兆円で、米欧はその2・6倍の公的資金を用意した。
ところが、それでもカネは足りないかもしれない。危機は、実物から遊離して異常に膨れ上がった金融派生商品
(デリバティブ)と証券化商品の破損を伴っている。9月に経営破綻(はたん)した米証券大手のリーマン・ブラザーズの
場合、同社の負債の支払いリスクを対象にしたデリバティブ「CDS」(クレジット・デフォルト・スワップ)が紙切れになった。
CDS残高は世界のGDPに匹敵するほどの規模で、デリバティブ全体となるとその10数倍にものぼる。
恐慌をきたした金融機関はこれらドル建ての金融商品を一斉に清算して現金化に走り、金融市場ではドル資金が足りない。
米連邦準備制度理事会(FRB)はしゃにむにドル札の輪転機を回してドル資金を垂れ流すしか方策がない。