>>589の続き
その中で、この原少将は戦史編纂に協力的だったのか、サイレント・ネイビーに
似つかわしくない、口の軽い(?)人物だったことがうかがえます。
「(珊瑚海海戦の後)東京へ帰った原少将は、肥った大きな身体が見事に南洋
灼けしていて人目をひいた。体躯に似合わぬ控え目で無口な人だったけれど、
海軍省の廊下で事情を聞きたそうにする顔見知りの士官と出会うと、
『アメリカは強いですぞ』と自分の方から語りかけた」 (『井上成美』阿川弘之/著)
なんとなく、伝わってきますよね?
彼の「回想」の中には、「海軍をやめようかとも思った」なんてのもある。
いったい何が・・・?
特にこの珊瑚海海戦は、「錯誤」がキーワードになります。
「この新様式の戦闘において、日米両軍の双方とも幾多の過誤を重ねたので、
この戦闘は『海軍過誤の戦い』と称しても差し支えあるまい」(『モリソン戦史』)
どのような状況で「過誤」が生じたのか。指揮官の心情を通して迫っていければ
と考えています。