F-22 総合スレッド 21機目

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961名無し三等兵
先進技術実証機について、三菱重工業の戦闘機開発チームが請け負ったテーマは三つ。
最初に取り組んだのが、コンピュータによるフライト・コントロール・シシテム(FLCC)とエンジンの出力方向をを強制的に
変える「推力偏向パドル」を統合させた「高運動機能」である。

ジェットであれ、プロペラであれ、飛行機の方向転換は基本的に空気の圧力で生じる力を利用している。
垂直尾翼や主翼に備え付けた「かじ」を電気的に作動させることで、優れた運動性能を発揮するコンピュータ飛行制
御技術(CCV)を採用したFSXですらその範疇を出ない。

これに対して実証機ではエンジンの噴射口(機体)部分に特殊な「パドル」を備え付け、推進力そのものを方向
転換に利用する。この考え方はすでに米国製の最新鋭戦闘機F22にも「ベクター・ノズル」の名称で実用化されて
いる。F22は噴射口の左右に二枚のパドルを設置しているが、三菱の技術陣は噴射口上部にさらにもう一枚のパドル
を加えることで、三次元の運動機能向上を狙っている。

空対空のドッグファイトを想定した場合、勝負の分かれ目は機首部分に設置したレーダーをいかに敵機に素早く
向け、その位置を確認できるか。このパドルを使えば最大で仰角60度のレベルまで機体制御が可能になり、空中
での戦闘能力は飛躍的に向上する。F2での方向転換は仰角20度ほどが限界とされる。

「自動車に例えると、エンジンを車体前部に置いて、前輪を駆動にも方向転換にも利用するFF構造と同じ事」
ベクター・ノズルの原理をそんな言葉で説明するのは高運動機能チームを率いる橋本和典だ。