南雲忠一中将を再評価するスレ(呂)

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892GF長官
>>877の続き

動画では[2:07]〜の場面になりますが、岩本機は母艦や列機と連絡を取り
ながら、SBDの邀撃に向かいます。

その際の通信手段について。まずは無線電話から。
零戦搭載無線は、九六式空一号無線電話機(対地通信距離:100km)
後に、三式空一号無線電話機(対地通信距離:185km)に改良。

これら無線電話の評判は悪く、
「雑音がひどくて、居眠り防止装置にしかならなかった」とか、
「どうせ使わないのだからと、アンテナ支柱を切り落とした」等々。

『零戦よもやま物語』には、「グラマンとの空戦中、激しい銃声を感じて、
やられた!と思ったところ、実はレシーバーからの雑音だった」という
話まで出てきます。
893GF長官:2008/09/24(水) 22:15:54 ID:???
>>892の続き

「なんとしても欲しかったのは、常に良好な交話状態が続けられる機上
無線電話であった。関係者一同努力するところがあったが、雑音が多く、
これを指揮官連絡通信に使用できるまでは至らなかった」
                        (『ああ零戦一代』横山保/著)

「当時零戦が使用していた通信機は、九六式空一号無線電話機で極端
に性能が悪かった。雑音と精度の低さで、ほとんど利用されなかったと
言っていい。だから、戦闘機搭乗員たちがいったん母艦を離れてしまえば
彼らはもうお手上げ状態なのである」         (『暁の珊瑚海』)

しかし全く使えなかったということでもなく、岩本氏の手記の中には電話を
活用する場面が、何度か出てきます。

「電話で列機に、各自攻撃を禁じ、小隊長に続行せよと命じた」(ツリンコマリ攻撃時)
「私は電話で敵機追尾の中止を明示、上空に集合するように信号した」(珊瑚海海戦時)
「基地から電話で敵情を聞くと、西方から接近してくるとのことである」(トラック空襲時)

これによれば、条件がそろえば、列機同士や母艦・基地間との通話も可能
だったようです。
ただやはり、常に良好な交信状態が得られなければ、組織的な防空戦闘を
指揮することは出来なかったでしょう。