南雲忠一中将を再評価するスレ(呂)

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196GF長官
逆境にある者は、現状のままでは勝てないことが明らかですから、発想の
転換を強いられ、順境にある組織は「今までうまくいったのだから、これから
もうまくいくに違いない」と現状に甘んじる。
そして、いつの間にか両者の立場は逆転。

真珠湾攻撃でいえば、「フィリピンを奪い、西進して来る米艦隊を迎え撃つ」
から「こちらから出て行って、一挙に敵の本拠地を叩く」という発想の大転換。

実社会においても多々見られることですが、それを児島襄氏は、『第二次世界
大戦 ヒトラーの戦い』のあとがきの中で、「勝者は眠り、敗者は目覚める」と
端的に示しています。

「日本軍の誰もが、この時となってもまさか負けるとは予想すらしていなかった
のである。事実、敗れるその寸前まで、南雲部隊は”勝ち”つづけていたし、その
負けはほとんど偶然という方がふさわしい程の、ほんのわずかの間隙を衝かれ
た結果であったのである」              (『ミッドウェー戦記』)

吉岡氏が「この決定は司令部内では、問題もなく簡単に決まった」と回想して
いる通り、赤城の艦橋を支配していたこの「漠然とした空気」を変えるには、
指揮官の不動の意志と、強固な実行力が不可欠です。

仮にあの時、別の提督が指揮していたとして、この「空気」を変えることは
出来たのでしょうか。