中日新聞 朝刊3面記事
ガス田共同開発合意 中国ネット上で政府批判相次ぐ
【北京=鈴木孝昌】日中政府が東シナ海のガス田共同開発で合資したとの報道を受け、
中国のインターネット上で中国政府への批判が相次いでいる。
「胡錦濤は日本からカネをもらったのか」などと、五月の訪日で協議を推進した胡錦濤国家
主席に対する異例のトップ批判も飛び出し、中国指導部にとってリスクの大きい決断である
ことを浮き彫りにしている。
特に日本が日中の境界線と主張する中間線をまたぐ中国側海域も共同開発の対象となった
ことに対しては「売国奴」との批判が集中し、一九一五年に日本が山東省の権益譲渡などを
突きつけた対華二十一カ条要求にたとえて「現代の二十一カ条」との皮肉も。
主要サイトの一つ、ヤフー中国では十七日朝から共同開発合意に対するネット投票が
行われ、一時は反対票が二千票を越え、賛成の十倍近くに達した。その後は当局が発言を
削除するなど、ネット規制を強化している。
中国外務省の姜瑜副報道局長は同日の会見で「共同開発は主権問題と関係がない。中国
政府が中間線を認めないという立場は変わらない」と釈明したが、開発案は今週中にも正式
発表され、世論の反発はさらに強まる恐れがある。