一昔前の人々は、敗戦の塗炭の苦しみに耐えながら日本を再建した。
彼らは亜細亜ではなく、太平洋の向こうにこそ希望の大地があると信じた。
自分たちを敗北へ追いやった米国や連合軍を憎むことより、その方が余程建設的だと考えたのだ。
亜細亜の大地を振り切った時、日本人は新たなセンスを身につけた。
それが海洋民族としての開花へと繋がった。
そういう意味では、確かに太平洋に希望はあったのだ…
だが、いくら希望を見出しても、亜細亜の大地に魂を引かれた者達のエゴに押しつぶされ、
結局はこんな悲しみだけが繰り返されてゆく。
…ならば…