【中】J10や87式や99式等について語る【国】★4
第1章 軍事ドラマは情報の宝庫
では、中国軍をめぐる情勢と、本書の分析視角となる軍事テレビ番組
の紹介とそれから得られる視角
中国軍が人民に伝えたいテーマ、解放軍の抱える問題や兵士の日常
など解放軍の今を知るための媒体となりうる。
第2章 情報・ハイテク時代の解放軍―『沙場点兵(戦場の召集)』より
対抗演習を題材にしたドラマから、中国軍が直面する近代化・情報化取
り組みとそれが抱える各種の問題を切り出す。情報化の推進、創意工夫
と旧式装備の改造という現代戦下の人民戦争、お役所化する中国軍、資
金難に悩む現場などの事情が現実のテーマとあわせて紹介。
第3章 中国の領土・主権意識―『垂直打撃(垂直攻撃)』より
空軍空挺部隊をテーマとするドラマ。台湾戦をにらんだ「斬首行動」、中台
米関係、チベットや新疆/東トルキスタンなど中国軍の国境意識、女性兵
士、徴兵制など
第4章 核から有人宇宙飛行まで、執念の開発―『国家使命(国家の使命
)』より
中国版「プロジェクトX」;建国55周年のメッセージ…中国の宇宙・核開発
を取り扱ったドキュメンタリー。自力更生と帰国技術者の相克、毛沢東の
核開発推進、現在の情報スパイ問題などが題材
第5章 大国興亡の歴史を鑑に―『大国崛起(大国への道)』より(プロ
パガンダとしてのドキュメンタリー;中国のドキュメンタリーが描く「9つの
大国」 ほか)
2007年に放送された大国(葡、西、蘭、英、仏、独、日、露、米)の興亡
を描いたドキュメンタリーがテーマ。マルクス主義史観から離れた、歴
史観が大きな評判を呼ぶ。大国の興亡の要因として制度、国民資質向
上、ソフトパワーなどを上げ軍事力を決定的な要因としていない。
「富強=富国強兵」の次を求められる現代中国の模索が生み出したドキ
ュメンタリーであるとしている。
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映像媒体を題材として中国軍を分析するという、余り見たことの無い手
法から、中国軍をめぐる情勢をうまく描き出している良作。