小火器総合スレッド M1A 2

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カウンターアソールトは1987年に、アメリカ人のクマ研究家・テリードミコ氏によって、
日本で最初に使用されました。彼はアジアのクマを研究するために来日し、当時環境庁の委託を受け、
秋田県の太平山でツキノワグマの調査を続けていた米田一彦氏(現・日本ツキノワグマ研究所長)を
訪ねていきました。そして、冬眠中のツキノワグマを調査するために、米田氏に同行して、
冬の太平山に行きました。調査中に突然ツキノワグマが樹洞から飛び出し、若い調査員に向かっていきました。
危険を察知したテリードミコ氏は、アメリカから持参したカウンターアソールトを素早く噴射して、
そのツキノワグマを撃退しました。カウンターアソールトが日本で初めて使われたのが、
まさにこのときでした。このエピソードは、動物写真家・田中光常氏の著作、『動物への愛限りなく』
(世界文化社)の中でも紹介されています。

秋田県を後にしたテリードミコ氏は、カウンターアソールトをヒグマに試すために、
北海道に渡りました。そして、のぼりべつクマ牧場のヒグマの専門家、前田菜穂子氏らと共同で、
ヒグマにカウンターアソールトを発射する実験を行い、日本のヒグマにも効果があることが
初めて確認されました。この実験の成果は、学会などでも発表されています。
 一方、秋田での調査を終えた米田一彦氏も、環境庁のツキノワグマの調査地が
西中国山地で始まるのに伴い、広島県に移りました。米田一彦氏はツキノワグマに、
これまで6回ほど攻撃を受たことがありますが、カウンターアソールトでクマの撃退に成功しています。
詳細は米田一彦氏の著書『クマを追う』(どうぶつ社)や『山でクマに会う方法』(山と渓谷社)
の中に書かれているので、ぜひご一読下さい。