日本刀というのは物凄くデリケートな刃物で、切れ味は鋭いのだが
少しでも太刀筋がズレると斬れないどころか刀身が折れてしまう。
動かない竹や薪わらを斬るのですら、熟練の腕が必要だ。
知らないと思うが、野生動物というのは例え20mm砲で
腰から下をふっ飛ばしても、急所に当たらなければ引き摺ってでも逃げていく。
その急所を斬るという行為が如何に難しいか狩猟をやったことがあれば容易に分る。
銅像の様に命中するまで大人しく待っていてくれれば良いが、相手も常に動いていて、
刀身を振りかぶった瞬間と、振り下す途中を比べた場合でさえ、もう既に状況はかなり変化している。
まあ、例え急所であっても刀で斬られて一太刀で相手が直ぐに倒れてくれたり、
銃弾が1発当たって直ぐに倒れてくれるのは映画やドラマの世界だけだ。
人でも猛獣でも、例え致命傷を負っても血流が完全停止するまでは
時間がかかり、その間はなかなかしぶといもので、ましてや猛獣ならば
心臓を綺麗に刺しても人間を殺してから死ぬ力は十分に残ってるという
状況を想定しておいたほうが良い。