日本で動物好きな人は当然アフリカに住んでる人ではない。
大抵は遠くアフリカから離れていて野生の国アフリカを想像し、
そこにいる自然のままの姿を見てみたいと想像力を逞しく
膨らませる。
人間の考える事はライオンであれゾウであれ、動物好きなら
なおさらあらゆる動物が多く存在するほどよく、自分の安全を
ロッジやバスで守りながら楽しむ事ができれば幸せで、
そういった観点のみで保護を叫ぶ。
いっぽう共棲しているアフリカ人はライオンや豹に身の危険を
毎日の様に感じ、夜ともなればじっと動かずに小さくなって朝を待つ。
それでも運が悪ければ行きながらにして食われる。
そこから占いや迷信が山ほど出てくる生活を余儀なくされる。
だから彼らはライオンや豹が一頭でも減る事を真剣に祈る。
アフリカ人は気さくで冗談が好きだが、そういう話しをするときになると
急に引きつってくるのはその恐ろしさが並大抵のものではないからだ。
命がなくなるのだから当然のことだ。
俺はアフリカ原野で杖を突いた年寄りを見たことが無い。
平均寿命など聞きようもないが、大抵は40代で死亡するようだし、
若者のように逃げられずに最初の犠牲となるのは年寄りだ。