「いた!」右40mのところに何か動いたものがあり、鬱蒼とした繁みの地面に
若木と草が生えていてそこでまた少し動いたのは、まさしくライオンだった。
前身の血がカーッと燃え騒ぎ、他にライオンがいないかをよく見回しながら
ゆっくりと接近すると、幸い目的の1頭だけだった。
大きな木の頂上辺りで鳴く鳥のさえずりと、そっと歩くお互いの
足音がサッ、サッ、と聞こえる以外異様なまでの静寂が続く。
30mのところでゴードンは手でサインして俺を前に出し、彼は右サイドへと少し移動した。
彼は油断するなと目で語りかけたので、俺はうなずいてゆっくりと進んだ。
いよいよ折れと大物ライオンの一騎打ちの始まりだ。