車がゆっくりすすむので、風は全く上がってこないし、
下からはエンジンの熱がストーブに足を乗せてるように熱く上がってくる。
心も熱くなってたが、正に灼熱地獄の世界だったので、シャツの襟や
背中を濡らして熱さを和らげた。
足跡が薄くなり進路が不明で進まないので、ゴードンは車を止めて出て行った。
どうもらちがあかないので、俺も出てみんなの左手を見て歩いていたら運よく
そのにちょっとした足跡の痕跡を見たのでそれをたぐって奴が進んだ方角がつかめた。
イノシシやクマの追跡経験がアフリカでもものをいった。
再びトラッカーがそれにつき、われわれはまた車に戻った。
それから40〜50分後、あの林に入って涼をとっているんだろうと見当が付くところまで接近した。
林の100mほど手前でトラッカーは車の荷台の上に乗った。
全被甲(フルメタル)270グレインの弾が3発こめられた..375H&H Magnumライフルを
受け取り、何かあったときの用心に3発をポケットに入れた。
ゴードンは不測の事態に備えて水平2連.425口径ライフルを持ち、先にたって
ライオンがいるだろう森へ向け、足跡をたぐって進んだ。