かいつまんでご説明しましょう。
小銃弾の威力は、弾重には単純比例するだけですが、弾速には
その二乗に比例して増すんであります。
たとえばヒグマの頭蓋骨は、10匁くらいの「イッキダマ」火縄銃でも貫通はできませんでした。
手負いになるだけで、逆襲されてしまうのです。したがいまして、トリカブトを塗った矢を用いた
アイヌたちから、明治前半頃までの銃猟家たちまで、熊の頭は決して狙わなかったんであります。
胴体の真ん中を狙いました。
ところが近代「ライフル銃」を猟銃となしましたことで、熊の頭蓋骨はやすやすと
破砕できるようになった。さしものヒグマも、脳を吹っ飛ばされますと即倒してくれますから、
いらい熊撃ちは、ライフルで頭を狙うのが基本になっております。