日本人は、謝罪の言葉を頻繁に口にしてきた。相手に非がある場合でも、徹底的に責め
ないのは、自分にも少しは責任があるのではないか、と自責の念がわき起こるからだ。
▼民俗学者の長野晃子さんは、そんな日本人の心の中に植え付けられた罪の意識が、
犯罪を抑止し、治安の良い国を作り上げた、と主張する(『日本人はなぜいつも「申し訳ない」
と思うのか』草思社)。最近、いい大人が「すみません」の一言がいえず、トラブルになるケース
も増えてきた。
▼逆に米国では、交通事故で謝った方が裁判で不利になるといった、いきすぎた訴訟社会を
見直す動きがあるそうだ。長野さんは、「ごめんなさい」が気軽にいえる社会の方がストレスが
小さいのでは、ともいう。日本の麗しい「謝る文化」を、大切にしたいものだ。もっとも、首をかし
げるケースもある。
▼民主党の鳩山由紀夫幹事長が13日、テレビの報道番組で、「私からも国民におわびしな
ければならない。申し訳なかった。国会議員としての責務は果たすべきだった」と陳謝した。
何に対してかというと、小沢一郎代表が、衆院本会議での新テロ対策特別措置法案の採決
直前に退席したことについてだ。どう考えてもおかしい。
▼小沢氏に謝罪の意思があるなら、“部下”である幹事長が代わりに頭を下げるのは筋が
通らない。そもそも小沢氏は「申し訳ない」と思っているのだろうか。まず説明が聞きたいが、
本人は相変わらず黙(だんま)りを決め込んでいる。
▼昨年の参院選の際、立川談志さんがこういっている。「棄権ってのは、行って入れないのが
棄権なんだよ。行かないのは棄権じゃねえんだよ。非国民だ」(毎日新聞)。小沢さん、やはり
本会議場にいるべきだったのでは。
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080115/trd0801150300001-n1.htm 次スレのタイトル案 「民主党ですが代表は非国民です」