F2「欠陥機」の評価も 巨費投じてトラブル続き
2007年11月1日 朝刊
F2の事故原因について、識者はエンジン本体やエンジン制御の電気系統で異常が起きた可能性を指摘する。
巨額の開発、生産費を投じながらトラブルや異常が続くF2を「欠陥機」と評する厳しい声も上がった。
元航空宇宙技術研究所(現・宇宙航空研究開発機構)所長の長洲秀夫さんは「事故時の映像を見ると、機体が
浮いた直後にストンと落ちている。急に推力がなくなったような落ち方だ。操縦ミスは考えにくく、エンジン
本体か、エンジンを制御する電気系統に何らかの異常が起きた可能性が高い」と分析した。
その上で「戦闘機は機体を軽くして速度を出すためにエンジンが一つしかないものも多く、特にエンジン系統の
整備、点検に万全を期さなければならない。整備で何か発見できなかったのだろうか」と疑問を投げ掛けた。
軍事評論家の前田哲男さんは「F2は日米共同開発で三千七百億円をも開発にかけながら、レーダーの不具合で
緊急発進ができないなど異常の発見が相次ぎ、納期も遅れた。配備先の現場では『性能をフルに発揮して運用する
と危ない』と公然と語られている。防衛省はそうした情報を公にしていない。今回の事故原因が製造上、構造上の
問題にあるなら、F2はまさに欠陥機だと言わざるを得ない」と話した。
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2007110102060901.html