F2が名古屋空港で離陸失敗 その2

このエントリーをはてなブックマークに追加
192名無し三等兵
機長の旧HPより・・

「エマージェンシーは人を選ばない」
これは僕がこれまで空を飛ぶことを通じて身をもって体験してきた哲学だ。
形あるものは壊れる。これは宿命だと思う。
飛行機が壊れたときに乗っているパイロットがベテランの時だけに限定されるというのなら世の中こんなに安全なことはない。
パイロットというと世間ではそのレベルまで詮索する知識も無いかも知れないが、実体はピンキリだ。
研ぎ澄まされた重厚な経験を有した者もいる。反面、飛ばすことを周りが支えに支えて何とか帰ってくるというレベルの者もいる。最初の頃はみんなそうだ。
後者のようなパイロットが飛行中にビッグエマージェンシーに遭わない保証は何もない。初めてソロで飛んだときにそれに遭遇しないという保証はどこにもない。
民間機については耐空検査(AW)という定期検査はあるものの、大ざっぱな言い方をすればその整備方式はオンコン(On Condition:壊れたら直す)だ。
ところが戦闘機は構造限界ギリギリの性能を発揮して戦うためにオンコンでは、ある日突然致命的な構造破壊を来す可能性がある。
だから1000時間足らずという短い間隔でオーバーホールして磁気探傷、超音波探傷、X線探傷と徹底的に調べる。
それを組立直すというところに人間にヒューマンファクターが介在するので、どこかに抜けがある可能性を否定できない。
確実に組立直したかどうかは実際に飛ばして確認する。そこにテストパイロットの存在意義がある。
組立にミスはなくともハードウェアが内在した故障発生の可能性もある。