<社保庁職員>年金着服1億3千万円 24人が12年間で
職員らが年金保険料などを着服・不正受給した事案が、95〜06年に少なくとも24件発覚し、
総額約1億3291万円に上ることが分かった。
預かった国民年金保険料を着服する手口が目立つが、納付記録の水増しなどオンラインシステムを悪用したものもあった。
公表や刑事告発をしなかったケースも多く、表面化しなかった事案もあるとみられる。総務省の年金記録問題検証委員会は、
着服事案の全容解明のため調査を進める。【野倉恵】
社保庁や各社会保険事務局などによると、着服額は計約3184万円、不正受給額は計1億107万円に上る。
不正行為をした24人のうち、課長や次長ら管理職、専門官らが18人と4分の3を占めた。21人は懲戒免職、
2人は依願退職、1人は退職後に着服が発覚した(その後刑事告発)。
窓口で預かったり集金した国民年金保険料の着服は13件約2587万円で、8件が02年以降に集中。
同年に徴収業務が市町村から移管されたためとみられる。
03年には八代(熊本)、新庄(山形)の両社会保険事務所で、国民年金業務課長が着服し、借金返済や
遊興費に充てていた。
06年には小倉南(福岡)▽長野南(長野)▽松山東(愛媛)の各社保事務所の国民年金担当係長による着服が相次いで発覚した。
年金問題には、5000万件に上る「宙に浮いた年金」に加えて「消えた年金」がある。前者は記録はあるが被保険者が特定でき
ないものだが、後者は、年金保険料の納付データがオンライン上も台帳にも残っていないという、最も深刻な記録漏れだ。
今回明らかになった社会保険庁職員による着服・不正受給は「消えた年金」の一因とみられ、実態解明は急務だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070803-00000013-mai-soci