下甑新型レーダー完成間近/空自分屯基地 弾道ミサイル、迎撃網の目
ttp://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=14817 日本に飛来する弾道ミサイルを迎撃する「ミサイル防衛」(MD)システム。
その一環として、防衛省が薩摩川内市の航空自衛隊下甑島分屯基地に整備中の
新型警戒管制レーダー(FPS5)が完成間近だ。
全国4カ所に建設するうちの第1号。
本格運用が始まると、ミサイルを捕捉する「目」となり、迎撃網の中核を担う。
FPS5本体はほぼ完成し、メーカーの試験が始まっている。
同基地に配備されていた移動式警戒レーダーが昨年12月から、
南さつま市坊津に移設展開されたのはFPS5の試験電波との干渉を避けるためだ。
同月下旬、標高約400メートルの山頂にある同基地内では、作業員がFPS5本体への資材運び込みに追われていた。
本体は高さ約30メートルで、三角柱の各面に亀の甲羅のようなアンテナが張り付いた形状。
直径約18メートルのものが主に弾道ミサイルを捕捉し、残り2つの直径約12メートルが領空侵犯を警戒する。
目標を追尾しながら建物全体が円形のレール上を動く。
FPS5は、早期警戒衛星がとらえたミサイル発射情報を受け、種類や着弾予想地点・時刻を割り出し、
迎撃する海自イージス艦や空自地対空誘導弾パトリオット(PAC3)と瞬時に情報を共有するのが役目。
下甑に続き、新潟県佐渡、青森県大湊、沖縄県与座岳の順に整備される。
政府は2004−08年度、MD整備に約6200億円を投入。
11年度の整備終了までさらに数千億円を見込む。
下甑島分屯基地の相原武士司令は
「全国初の導入で、訓練や試験の成果が今後の整備地やMD全体に影響する。気を引き締めて取り組みたい」と話す。
同基地では3月末までに管制施設などすべてが完成し、部隊の本格訓練が始まる。
移動式レーダーの坊津展開は9月までの予定で、その後はFPS5に引き継ぐ。
日本の迎撃実験は、PAC31回、イージス艦の迎撃ミサイル(SM3)2回の計3回行われ、2回成功した。
しかし、昨年11月のハワイ沖の実験ではSM3が数秒前に目標を見失い失敗した。