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名無し三等兵:
余談ですが、第三次ソロモン海戦について調べていく内に、ワシントンがStable Verticalを装備していることに気がつきました。
脱線して調べていくとMk38に組み込まれ米戦艦、巡洋艦に装備されています。
だいぶ昔戦鳥で取り上げられたことがあったのは知っていたのですが、その時は回頭中の砲戦に使用可能かもしれないが未知数という程度の話だったと記憶しています。
しかし今回調べた結果は予想よりは使えるシステムのようです。
1930年代中頃に装備されるようになり、回頭中の砲撃での精度を大きく向上させているとのこと。
精度が高いといっても比較の問題で、それ以前に比べれば有効性を増したということであって、直進しての砲戦と同等になったわけでもなく戦前150度回頭中の砲撃で偏差212ydを出している艦もあります。
150度というかなり厳しい条件を考えると誉めてよい位かも知れませんが。1945年のノースカロライナは太陽を目標にした観測で自信を深めたようでもあります。
回頭中でもこれだけやれるのですから、回頭後なら早期にロスの少ない高い砲撃を行えることになります。
いずれにしても従来ほどには変針は忌避するべきものではなくなってきていたようですね。
米戦艦の演習が砲戦中の変針や回避行動に力を入れていたり、実戦での巡洋艦以下が回避行動を積極的に行なっていたのはこの装備があったためかもしれません。
逆にいえば砲戦中の運動を重視していたからこそこのような装備を開発したともいえるでしょうか。
「海軍砲術史」等でもこの種の装備を開発しなかったことを悔やむ記述があり残念でなりません。
技術的に困難な装備というわけでもないようで、一部は仮設の器具を作って使用した例はあったそうですが。