____
「見て見て、すごい、宣戦布告!」 / __ \
(_\ -、\ ヽ ))
| / / || >| |・ | |_ |
/二二二ヽ ! 、 _) |
|__| へ,,∧|. /  ̄ ̄ \ __∩ \ ヽフ ノ- ′ ∩_
( ^ ^⊃ 0===二_ヽ ∈ | ̄ ̄^||▽▽||^ ̄ ̄| (┌┘
/| ┌──┘ノ|\. | (^|  ̄  ̄ ̄| || || | ̄ ̄ ̄ 彡
|\\ m / \> | ヽ (( |_||____||__| /  ̄ ̄ ̄ \
/▽▽/__ノ ヽ____ヽ_丿 ∩ノノ) / | ⊂二二>____ヽ
| / / / ⌒ヽ/\ ノ |⌒ヽ\| |
|< |─ |__ ! ∩
「でかした。」 ┌^─′ 6) / ⊂´ )
「早く清書しろっ。」  ̄ ̄ ̄) ヽ∧/ / ヽ/
_∩ =┬──|/ /
∈ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ /
 ̄ ̄  ̄ ̄| |
「AFは飲み水が不足している」
____
/ \ 「ああっ、それは 罠 だぞ、ばかっ。」
⊂二二>______i
|ノ \ | | | ̄ , -─── 、
. <| > ∠ ノ | | ̄ / ______ヽ
! ^ _ <__ノ ポ  ̄ ⊂二>、\ | |
\ヽ/ヽソ / | チ |+ |─|.__ !
┌─- ノ ̄ ̄ ̄|⌒ ⊃o o− ′ 6 ) /
/  ̄ ̄ |-──┴´| ゚ └──┐ \ヘ/
| \ | 、─┘ |
| \  ̄ ̄|⌒ヽ )) カタ カタ ∩  ̄/二二ヽ
`──┘─″/ ⊂ ̄ | ̄ ̄ ) |
/  ̄ ̄ \ 「なんだよ、
/二二二二二ヽ さっきからの たいどは!」
/ | ( ・∨・) |\
| | ⌒)⊃( ヽ/ _ ミ ___
ヽ_| /(∋ 丿(((`ヽ / ヽ、
/ ヽ __ /\(つ\├┬┬<二二⊃
/ \゙ |__|─| ・ | 0 |
| | | ノ (d U`−´o−i
| | | |⌒ヽ ⊂〜'丿 ))
|__|. | | ヽ`──、
( ) ______|. | | | \
─┬′ | |─| |ヽ/⌒
/二二二ヽ
「そうよ そうよ。」 |∧,,∧ | | 「 ヒステリーみたいに
__ | ・ ・ |_| キ ー キ ー
/ /  ̄ ̄ \ ⊂二 __) どなりちらして!」
⊂二>_ヽ__(_ ̄_ ヽ i / ̄ ̄└─┐ ノ|\l>
| ・) ・) | |) | |) | | ⊂二二>-┬// |∠lヽ
( ^ | 丶 _) | (・ )( ・ ) |_ ̄/▽▽^゙\
` -─ ヽ._⌒ ィ−' | ⊂⊃ _)| | |\ヽ
/ / || ̄||^ヽ ヽ、(「「「「).ノ | | |//
| | | || ⊂ ̄) ̄/ ̄ ̄ ヽ| | (_)′
_____ _____
/ \ / \ 「みんなが いうことには、
/ − 、−、 ヽ/_______ ヽ ぼくは 暗号には
/ -| /・|・ヽ|- |ノ−、 , ─ \ | | むかないから、」
| /_ `− ●-′ /⌒)| |_|___/
. | | _ ̄ | 二 | ⊂ノ | └ | 6 |
| |  ̄ | ─ |_/-c`─) ) - ′
ヽ |  ̄ ̄ |_) | |‘┬─(、( /
ヽ | /(⌒|\ | |`-`─- ´ノ^\
┝━/ /|~| |━l ヽ__|ヽ./\/ l |
. | / | | | |/ | | |
「グアムにでも行ってこい といわれたの。 かわいそうに。」
第二次中東戦争
エジプト 第三世界
>-――― - 、 ___
>_____/  ̄\
|, ―、, ―、/(/o(ヽ)―-、 ヽ
|| @| + ||ニ(( | ( ( 二二ヽ |
|` -c −´|- ) )| ) )―― | |
( ー――,(__| ( ( _, | |
> 二 ´_ ヽ  ̄ ̄ / ノ
/ | { ̄ ̄ ̄ ̄ ̄二二)
/ | `− ´―――― |
/_./ | |――┐ | |
(っ ) | | ノ | |-O
「見たろ、第三世界。スエズ運河を国有化したんだよ。」
「ぼくひとりで。もう英仏なんてこわくないだろ。第三世界」
便乗歴史シリーズ「ドラえもん、のび太とアンワル・アッ=サーダート」
第三次中東戦争によってエジプトはシナイ半島を失う
____
/ \
i──────┐ ヽ ←サーダート
| ⌒ヽ ⌒ヽ\ | | 「日本のサムライは長い剣と
| >|・ |─-|_ / 短い剣を持っていた。今回は
j ーc ─ ′ ヽ 短い剣による戦いだ!」
⊂____ /! _ノ
_(\ \ \ __/ /
(─ ヽ、 ` ─_──イ- 、
ヽ二_ノ \/|/\ / \
\
ナセルのあとを継いだサダトはシナイ半島奪回に力を注ぐ。知日派
の彼は部下に上記のような説明をしたと言う
まず、彼はナセル時代に冷え込んだ西側諸国との関係改善を図る
/ ⌒ ⌒ \
/ ∠ \ ヽ , ──- 、=@
. | / -、 -\j /__ ヽ
|__/ | ・| |・| | |−、ヽ | i 「消防機器を売って
( r ゝ l |ヽ |─| | くれないか?」
. \ , ノ d−′ ||) /
┌──┐ ヽ ̄) \ヘ/
/ヽ ̄ ̄ ̄ ヽ ` ┬──┐
| |==D=| | _∩ _/ ̄j ̄ ̄|
| | | | ∈ | / |
「いいけど、何に使うの?」
また、何度も挑発的で派手な演習を行い、イスラエルの予備兵力動員
を誘う
, ─── 、
/_______ ヽ=S
(( |/ ─ 、 ─ 、\ | ヽ
| | l | | 「ほ〜れ、ほ〜れ
| / |ヽ !─r-、ノ かかって来いよ腰抜け」
(^ヽー ヘ ` ー ´ノ| 6 !
`ー 、⌒`ー─ ´ | _ノ ノノ
\⊂二 ノ /\
、────´/ /\
 ̄ ̄ ̄/「/\/ /^ヽ
i | | |
これは成功し、イスラエルは動員令を乱発。度重なる動員令に国民は
疲弊し、逆に緊張感を喪失する。そのため、軍はいたずらに動員がか
けられなくなる。まるでイソップ童話の「狼少年」である
____
\ ─~~~-~-~~─__
<  ̄ ̄ ̄ ̄|
> _________ | ←イスラエル国民
 ̄ ̄ | / \ | | 「疲れた…軍は動員令
| /⌒ヽ /⌒ヽ | | を出すことで権力を掌握
| | ' | i ' | | | しようとしてないか?」
| ヽ.__ノ ヽ._ ノ レ⌒ヽ
ノ o 6 |
/__ \ _ノ
> ノ
<、___ イ
|───┤
/ |/ \ / \
しかし、1972年サダトは突如、ソ連の軍事顧問を追放する
,,,────、
____ /______ `ヽ
/ ____ヽ i´ \|/ ヽ | | 「出てけ!」
/ / ノ ,, \| | >|< | ─ |_/
| | (・ _ (・ |7 | - c `−′ 6 |
ヽ_フ ミ ⊂⊃ミヽ i、┌─−、 ,-
| ___i_ | ∩ ヽ、`─−' イ
| ( ) ノ ⊂ ̄( └─┬^| ̄∧ ̄/⌒\
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\. i∋_ノ__|_|  ̄  ̄ ヽ \
↑ソ連軍事顧問 | |ヽ/ \ ))
「我々なしでやれるの?」
翌年復帰させるが、これにイスラエルは軍民ともに油断する
____
/ , へへヘ∧ヽ 「安心しな、連中はしばらくは戦う気なんかない」
| | \l l/ |
/⌒ ( . ∠ l ヽ \
ヽ_ (二) ヽ 、─` `ー‐───┐
l ______つ ! > _____ |
>、 \|_|_|_/ /  ̄ l⌒ヽ\| !
/ l ヽ、 ____ /、 |・ | l/^ヽ |
/ ` ー──‐─ ´ \ o 、__ノ _ノ |
/ | __(^| /⌒ ヽ < \ |
/ヽ| (二 ヽ / | >__ ____ l
l \ /\ / /l/\/ヽ
`ー 、 ヽ / | |
↑IDF
そして運命の1973年10月6日 ユダヤ教の祭日であるヨム・キプール
の日にエジプトはナイル川東岸のイスラエル軍を攻撃する
____
ゝ/______ヽ
/ | / − 、−、! 「さぁ、消防機器の放水で
| __|─| ・|ヘ | , - 、 トーチカの銃眼を潰そう!」
( `ー o−!/ ⊃!′
ヽ ヽ ̄ フ ノヽ.ノ
>─-─ィ ´/
/ \/ヽ |/
/ / |
∈ヽ/|____|
 ̄∪ | / ̄ヽ
, - 、_|` -┬┴、/ヽ/^ヽ
| _ _|_ノ \ /
ヽ__ノ ヽ_/
IDFは油断しており、エジプトの攻撃は完全な奇襲となった。また、陣地
は予算不足で碌な兵士も兵器もなかった
,lニニニ l、_,、 ;::...
.__,、_ _ ,r-ー''" ̄ o ゙ー-、.;::...
l ロ|lコ llニニニニニニニニニニlil二二|_(( ゚::::゚ (::) : : : : :,, .;::...
~`' ̄ ,n__,===、`ーz___,,___,,__、 --‐;::..
・. ' ; / (__l=ll==  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l ̄l ̄/;:
(;;ノ;; (′' ・. '、′ ,,="l==== :l:====== :l:====== :l:‐‐‐\(
(´;^`⌒)∴⌒`.・ " ; :;l_l.γ└─、__,,___i!____i!____.i!.二\;;
、(⌒ ;;;:;´'从 ;' ;:;;) ;⌒ ;; :) )、ヾ、_,,..〃⌒ヽ '⌒`γ⌒ヽ''⌒`γ⌒ヽ''⌒\;;;;\
': ;゜+ :: ( * ::: * ヾ. {:::(O):::}:(O):{:::(O):::}:(O):{:::(O):::\;;;;;;;;;;;;;;;;;;
:::、 ノ ...;:;_) ...::ノ ソ ...::ノ `ゝヽ,,__,,ノ、,,_ ,,ヽ,,__,,ノ、,,_ ,,ヽ,,__,,\;;;;;;\\
慌てて駆けつけた航空機はSA6に、戦車はRPG7などのミサイルに破壊される。
戦車万能説にたっていたIDFは出鼻をくじかれる
初期の作戦は完璧な成功だった。しかし、イスラエルの消滅を本気で
願うシリアはさらなる進撃を要請
__, - 、
. /, ─── 、)
// / ヽi ←アサド
|_| ┃ ┃ | 「ゴラン高原も占領した。
( ⊂⊃ ヽ このまま、一揆にぶっ潰す」
>、 \__ノ ノ .nm
/ \─── ´ヽ、 /)- |
/ \--/ |  ̄|_丿
| / | ||
一方、サーダートにとってこの戦争は「懐刀」による限定戦争であって、
シナイ半島の奪回ができればよかった
____
/_____ ヽ
|− 、− 、ヽ| |
| ・|・ |─|__/ 「もう、侵攻しないよ」
| −o− ´ )、
ヽ└── ノ ノ ))
/ヽ▽▽^ /
| | |′
意思疎通と連絡を欠いていたのが命取りだった
エジプトが攻撃を手控える中、アメリカから支援を受けた
イスラエルは10日シリアを破り、さらに返す刀でエジプトを
攻撃
/7 /7/7
_ ⌒ /7 /ニ ニ7  ̄
__/ | ( ) | / /ニ _ ̄//7 / / /7
| 、 )ヽ/ ( \ ☆ || // /_//_/  ̄  ̄  ̄
| | ̄ | |/ / ___
| ̄ ̄l /⌒)  ̄ -――  ̄
/ ̄ ヽ、  ̄`、 ̄ ̄ ̄| ̄) / /^ヽ , -―――-、
/_ _ ヽ_|―――┴--´ (ヽ´⊂) ∨∨∨∨| | , - 、
____∠」/ | / ☆ / /| |\ / \ | >_(・) |_ | (⊃ _)
ξ⌒( // ̄ ̄/ `l / ☆ / / | | \ \ | ,`T` _ 6) \ \
 ̄∪  ̄ ̄ l´二,二 | \ 〃 〃 | | \. ( |王王土/ノ――´ ノ
|| >| < |―9) \ ( ) ./ || \ヽ二7| ̄7 /
l 二 二_/~ } \ \ _, | \ | o ̄ ~| ̄
` ―--― ´ \/^ \ ( ) | o |
し、 、_ゝ ゝ ノ | o |
「なめるなよ!」
シナイ半島からエジプトを駆逐し、首都カイロに迫った
しかし、ソ連参戦を恐れるイスラエルは結局、カイロに侵攻することは
なかった。中東諸国の石油戦略もあり、米ソの仲介により22日停戦した
____|__/
, -―  ̄  ̄ ヽ〃
\ / ヽ
|/ \
/ ______ <
/ / __∠∠_  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄Τ
| | [_____] # /\ |
/| | ∠/=≡x |/ #| 「シナイ半島は結局、
/ |_ | キミ .|| || | 奪回できなかったが
/ ヽ_| |ハ キ -||- | 中東の存在感は示した」
| 6 メ |ナ || |
\_ # ゛ミ=/k゛ つ # -、 |
| # _________/ /
ヽ # / / /
/ \ / / /
軍事的に見ればイスラエルの勝利だったが、IDF不敗神話は間違いなく崩壊
した
その後、1979年にサーダートはイスラエルと単独和平を結び、シナイ半島
を合法的に奪還する。この際に行った演説は有名である
, -──- 、
/_____ \=@
|/⌒ヽ ⌒ヽヽ | ヽ 「エジプト人とユダヤ人は
| / | ヽ |─| l 語学上は兄弟にあたるんだ
/ ー ヘ ー ′ ´^V まだ解決できない問題も
l \ / _丿 いずれは…そのための
. \ ` ー ´ / 一歩としてこの和平がある」
>ー── く
/ |/\/ \
l l | l
ヽ、| | ノ
|ー───j
しかし、中東諸国と一部国民は彼を裏切り者と見なす。1981年に彼は
原理主義者の凶弾に倒れる
....λ..λ....
独立の闘士であり、優れた演説・文章家であり、和戦両用の政治家であった
サーダートの遺産は、少なくとも全面的な中東戦争が起きていない分、今で
も輝いている
「ドラえもん、のび太とアンワル・アッ=サーダート」Fin
(ドラえもんは出なかったけど)