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723名無し三等兵
東アジアの時事問題に関する雑誌「月刊 東亜」の6月号に江畑謙介氏の
「中国のエネルギー資源戦略と海軍力の増強」という記事が掲載さ
れました。先月注文していたのですが、ようやく本日入手しました。

「東亜」について
http://www.kazankai.org/toa.html
記事自体は、今年の4月17日の講演会の時の記録でした。

文頭に挙げられていた論旨要約
「中国は経済の高度成長と軸を一にしたエネルギーの需要増大に対応すべく、海
外の石油資源確保に向け精力的に取り組んでいる。タンカーによる安全な輸送を
果たすため、シーレーンの安全保障は、まさに中国経済の発展と直結する喫緊の
課題であり、これに歩調を合わせるかのごとく、海軍力の近代化にも余念が無い。
その戦力はいまや台湾海峡を超えて、石油輸送ルートの安全確保まで視野に入
れ始めている。」

各節のタイトルと内容要約
・(はじめに)
 海軍力といっても空軍力が伴わないと現代戦は成り立たない。衛星破壊実験を
 初め航空戦力だけでなく宇宙分野の活動も急にに注目されるようになる。
・実践で高い成果を上げた中国製兵器
 ヒズボラが中国製対艦ミサイルを使用してステルス性の高いイスラエル艦を攻
 撃。これは、兵器の信頼性の高さを表している。
・軍の近代化と戦略転換
 中国の戦略の変化と宇宙に重要性を見出す課程。1990年代のロシアからの兵
 器輸入と電子妨害機の開発は、近代戦において何が重要なのかを中国軍が理
 解しつつあることの現われ
・現代の情報戦と宇宙活用
 2003年から打ち出された新たな戦略「情報化条件化の局部戦争」に基づき、宇
 宙における各種の技術開発を積極的に行うようになる。
724名無し三等兵:2007/07/23(月) 22:28:02 ID:???
・経済発展と資源戦略
 中国が石油を欲する理由の説明
・シーレーンの安全保障
 海洋輸送ルートの安全保障が中国にとって不可欠の課題となっている。石油の
 確保と世界第2位の商船隊を保護しなければならない。
・海軍力と航空戦力
 シーレーンの保護と同時に台湾問題に対処するためにも軍事力増強が行われ
 る。中国が経済発展しても民主化は無いだろう。安全保障の面から見れば、民
 主化しないという前提で考えねばならない。中台軍事バランスは、今年辺りに逆
 転の可能性がある。核は使えないので通常戦力で台湾を制圧する必要がある。
 中国はそのための各種装備を調達している。
・経済発展に比例する国防費の伸長
 軍事予算もかなりシステマチックになっており、兵器調達だけでなく教育にも力
 を入れるようになった。準外洋艦隊の主力は潜水艦。「われわれとしては空母を 
 つくって欲しかった。なぜかというと、簡単に出来ないからです。莫大な金と時間
 を要します。だから、資源と時間の浪費でろくな物はできず中国の軍事力は高
 まらないのですが、潜水艦は違います。多少のガラクタでも結構使えるものに
 なる。」早期警戒機の開発にも力を注ぐ
・国産空母開発に向けた動き
 兵器をシステムとして運用する方向性がはっきりしてきた。その究極の形が洋
 上航空戦力としての空母。現在の海上輸送は、航路だけでなくメガポートが常
 時使用できることが重要。アジアのメガポート6位中4つが中国の港であること
 は台湾有事において世界中の海洋交易に影響を及ぼす
・わが国の対応は
 アメリカは、世界各国の友好国をネットワークで結ぶ構想を実施中。日本がこ
 れにどう対応するのかがこれからの見物。また日本も中国と同じ航路帯を有
 していることを考えて、これからの安全保障や外交をやっていかなければな
 らない。