下手くそですが、思いついたままに書いてみたので投下。
草は緑色をしていた。空は青い。呼吸に不都合もなかった。しかし生き物の姿だけはどこか見慣れぬもの
ばかりであった。トカゲに翼が生えたようなのが空を舞っていた。虫は良く見る昆虫類の類とは姿は似ている
ようで、決定的に違う。巨大なのであった。
「古生代は地球もこんな感じだったのかもな」
森林の中に幾人が踏み固めて作った小道を装甲車とトラックが数台列を作り、土煙を上げて走っていた。
上部のハッチから辺りを一通り見回して、まだらの迷彩服とヘルメットを被った若者がポツリとつぶやいた。
「古生代ってなんだっけ?」
「中生代の前だよ。中学の時にやったろ?」
「ああ、思い出した。恐竜のいた時代の前のやつだ」
少し草木の丈が低くなり開けた場所に出たところで、車両の列は停止し、巻き上がっていた埃も多少落ち着いた。
「よし、降りてみるぞ」
中年と呼ぶにはまだ早そうだが、中肉中背、物静かな風体からすでに貫禄を感じさせる。この先遣隊の総責任者、
久口1等陸尉が隊員達を車から降ろし整列させた。ぞろぞろと車両後方の扉から出てきた隊員達は総勢30名前後。
みな独身者ばかりである。
「息苦しい奴いないかー? 体が重いとか、異常を感じる者はすぐ言って」
特に名乗り出る者もいなかったため、彼はとりあえず安堵した。酸素濃度が足りない、気圧が変だ、など
基本条件が違えば立てられる作戦もずっと制限されてしまうのは明白だ。
「環境面はあまり変わらないようですね…まあ変わっているのなら、あなたがあっちでけろっとしている訳は
ないですから、当然ですか」
彼は少し離れて隊の様子をうかがっていた、珍妙な服装──肩に尖ったパッドを付けた詰め襟のような服を
着た人間に声をかけた。
「ですから助けを求められる、とも言えます」
こちらの国の軍服を着た男は、フフ、と口元を緩ませた。