4315 攻撃戦闘
1 要旨
(1) 攻撃戦闘の主眼は、敵に対して連続不断に衝撃力を加え、その防御組
織を破壊して敵を撃破するにある。指揮官の的確な指揮・統制による機動
と火力の緊密な連携は、衝撃力を持続するために特に重要である。
この際、主攻撃は、間断のない攻撃によりその目標に突進させる。敵の
行動又は主攻撃以外の攻撃の不振等によって、主攻撃の戦闘力を裂きこれ
を弱化させてはならない。また、主攻撃の転換は、その影響するところを
慎重に検討しなければならない。
(2) 昼間に引き続き夜間も攻撃を続行する場合には、努めて早期に決心し
て迅速な調整を行い、指揮下部隊に対して十分な準備の余裕を与えること
が必要である。
2 第一線陣地に対する攻撃
(1) 第一線部隊は、所命の時期に攻撃開始線を通過して迅速に敵陣地に近
迫する。この際、前進を妨害する敵、特に戦車、装甲戦闘車、対戦車火器
等を撃破・制圧するため、協力火力の効果を最大限に利用するとともに、
自らの火力を十分に発揮することが必要である。
攻撃前進においては、敵火力の発揮を制約する地形・気象を利用すると
ともに、必要に応じて煙幕を利用して敵陣地に近迫する。
(2) 火力戦闘部隊等は、攻撃準備間に引き続き、敵砲迫の制圧、敵陣地等
の制圧・破壊等を行って敵戦闘力を減殺し、あるいは敵部隊の転用を阻止
して第一線部隊の機動を密接に支援する。
(3) 飽くまでも抵抗する敵を撃滅するためには、突撃によらなければなら
ない。このため、第一線部隊の要求する所要の火力を適時適所に集中し、
突撃を妨害する敵を制圧して突撃を容易にする。
突撃は、緊密な火力協力の下に、通常、小部隊ごとに統制を分権して行
う。状況により、統制を集権して行うことがある。