【遥かなる星】JSP03へようこそ【第8回ツアー】

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938名無し三等兵
 第四次中東戦争についての日本国首相の中東に対する所信演説概要 (通称「モスキート演説」)
 
 イスラエルの方もアラブの方も、中東の皆さんこんにちわ。私は日本国首相の田中角栄と申します。
 我々は、今回の戦争でイスラエルに兵器を売って儲けさせていただきました。しかしそれはあくまでも売却なのであり、無料の援助ではないのでございます。また、儲けられるだけボロ儲けをした訳でもございません。
 今次の戦争で、我々は無償の兵器援助でイスラエルを支援したというかどでアラブ各国の方々から非難されております。しかしそれは全くの誤りであり、事実無根のデマでございます。
 我々は商人であり、商品を必要とする相手に適価で商品を販売する事でたつきを得ています。マホメットの生業が何であったか想起せられたい。
 一方イスラエルの方々は、日本の商社マンはベニスの金貸し(註 シャイロック 悪徳ユダヤ商人代表)など問題にならない卑劣漢であり、最も肝心な時期にいい様に食い物にされたと我々を憎むようになりました。こちらは基本的には間違っておりません。
 しかし、現在の我々がそういう国である事は、我々自身何度も何度も表明してきておりますし、イスラエル政府はそれを百も承知の上で我々の兵器をお買い上げになられておられます。性能が良い上、他に供給源がないからです。
 アラブの方々は我々に石油を売って生計を立てており、我々はイスラエルに売った兵器の代金でその石油を購入しております。
 どちらも大切なお得意様でございますが、我々は出来ればアラブの方々にも我々の兵器をお買い上げ頂きたいのであり、それを断ってソ連から兵器を買い軍事顧問を招聘しているのはアラブの方々の政府なのでございます。我々が売らないわけではございません。
939名無し三等兵:2006/04/17(月) 21:22:57 ID:???
 なるほど、決定的な時期にイスラエルに到着した日本製の兵器と弾薬により、イスラエルはソ連製兵器で装備したアラブ諸国の軍隊に勝利いたしました。わが国がイスラエルを手助けしたと見られても仕方ございません。
 しかしまず、戦争初期、アラブ諸国が電撃戦を展開していた折、わが国が何をしたか見て頂きたい。友人として、イスラエルに兵器の無償援助を差し上げましたか? まったく逆でございます。
 関係各部署が、揃ってイスラエル敗戦必至と判断した時、私は、首相としての権限で、イスラエルがわが国に有する各種外貨建て資産の内、兵器代金の未払い分概算の倍額に相当する資産を仮差押えしました。
 イスラエルが崩壊すれば、代金の回収が不可能になると判断したからでございます。我々に損金は許されません。
 倍額としたのは、イスラエル崩壊の場合、難民となった方の支援の原資に、未払い分を差し引いた資産を充てようと思ったからです。この点で、イスラエル人を支援しようと思ったと言われるなら、それはその通りでございます。
 戦争の最中、我々がイスラエルに売却した装備の大半は、我が自衛隊が現在使用中の中古兵器であり、それも新装備への更新を間近に控えたものが多数を占めました。弾薬も同様の古物でございます。
 予期せざる売却代金により、わが国を守る自衛隊の新装備への更新が予定より早まったことは、首相である私の欣快とする所でございます。
 わけても、戦争の帰趨が決まらない内の売却分については、金、ハード・カレンシーのキャッシュその他の資産で、引渡しと同時に即時お支払い頂いております。
 中古の戦車が輸送機から下りるのと引き換えに、イスラエルの貴重なGoldが消えていく。イスラエルの方々が怒られるのも無理はございません。
 ただしそれは、中古兵器としての本来の見積り額に、緊急輸送のため空路を使った事と被害に対する保険料で極めて高価についた、輸送に要する経費を加えたものから、長年のお客様に対する割引として、25%を差し引いた価格でございます。
 それなりに利益はあげましたが、決して暴利を貪った訳ではございません。損金となる可能性をなくすため、即時決済により、損益を直ちに確定する必要があっただけでございます。
 
940名無し三等兵:2006/04/17(月) 21:23:51 ID:???
なお、保険会社が日本企業なのは当然でございます。日本政府が運用する国税は、日本企業へまず投資せねばなりません。
 加えて、戦車を運べる輸送機を運用する民間航空会社は、今の世界では日本航空ただ一社でございまして、選択の余地はありません。
 見積書と帳簿のコピーは全てこちらに控えがあり、現在イスラエルで出版準備中でございます。私の言葉を信じられない向きは是非ともこれを購入し、ご自分で確認して頂きたい。
 お買い上げの際には、少額ながら我が国にも印税収入が入ります。つきましては、計算の為には日本製の電卓のご用命を。
 戦争の帰趨が定まって以降に到着した装備につきましては、後日お支払いで売却いたしており、信用を重んじるイスラエル政府より代金が必ず支払われるものと確信しております。
941名無し三等兵:2006/04/17(月) 21:25:27 ID:???
 今回の戦争におけるイスラエルの緒戦の敗北と後半の勝利は、イスラエルとアラブ諸国のあらゆる意味での力量差、それ以外の何者をも意味いたしません。
 否。すべての武器を現金で購入しなければならないイスラエルと、すべての武器を無償援助で入手したアラブ各国。どちらの能力が優れていましょうや?
 アラブの皆様を侮辱する気は毛頭ございません。緒戦の展開は優れておりました。防衛戦術に問題があるべきと言えましょう。
 ところで、アラブ各国の軍事顧問の国籍を確かめていただきたい。卑劣なる核奇襲で西欧文明をほろぼした張本人ではございませんか?
 我々は世界に残る数少ない資本主義国、商人なのであり、それも主に死の商人でございます。
 不幸なる第三次大戦以降、我々は、購入の意志があり価格の折り合いがつくなら、一部の例外的装備を除き、いかなる国にも全ての兵器を売却することを国是としております。
 交戦国の両方に同じ兵器を売却することも当然あり得ます。
 イスラエル国民の皆様が、二度と外国製装備に依存しないために、独自の陸軍軍需工業を立ち上げるなら大変結構。
 世界最高の工作機械とコンピュータ、発電設備をはじめとするプラント一式、産業振興の専門家その他、優れた工業基盤を立ち上げるのに必要なもの一式を適価で提供させていただきます。空・海軍は別問題でございますが。
 アラブ各国のお客様に対しても同様でございます。あるいは、装備はそのままで、現在の無能なるソ連軍事顧問を追放し、我が自衛隊の専門家を招聘なさって軍隊を改革するならそれもまた良し。
 卑劣なる核奇襲を逃れた旧西独軍や旧米軍の専門家も多数就職口を求めております。
942名無し三等兵:2006/04/17(月) 21:26:24 ID:???
 我々はいかなる国家の友人でもございません。信義と契約を重んじ、求める所に求めるものを折り合いがつく価格で売却する商人国家でございます。
 契約に縛られない商行為を咎められる由縁はさらさらございません。たとえ、それが個人であれ国家であれ、我々以外のどなたかの死を意味していても、でございます。
 レーニンは言いました。資本家は儲けのためならば、自分の首を絞めるロープとて売る。レーニンは正しい。ロープなら我々は喜んで売りましょう。
 しかし、そのロープを私たちの首にかけようとするならば、その途端自分の家に落ちてくるロケットの事を忘れてもらっては困ります。これだけは、いかなる価格でも日本は売りません。
 憎んで下さって結構。呪って下さって結構。恨んで下さって結構。
 契約が守られ、正常な商取引が行われる限り、我々は個人と国家の内面の自由を尊重します。
943名無し三等兵:2006/04/17(月) 21:27:11 ID:???
 あと一言。地獄に落ちろと我々を呪うのは結構ですが、行動に移るのは考え物です。
 我々は地獄を信じない。私を含め、日本人の大部分は、輪廻転生を信じています。
 いまの日本人は世界の生き血をすする吸血鬼です。生きとし生ける者は皆死ぬのは嫌です。しかし、一度死んだら来世には血を吸う蚊に転生する事を日本人は覚悟しています。良くても血吸い蝙蝠でしょう。
 蚊に刺されてかゆいと思ったら、すかさずぴしゃりとやって下さい。かつては日本人だった迷える魂が一つ解放されるでしょう。
 蚊には蚊の生き方がございます。生き方次第では、蚊の魂は蛙に転生し、蜥蜴に、鼠に、狼に、鯱に転生し、やがては地球史上最強最悪の虐殺魔たる戦闘生物に復帰するかも知れません。言うまでもなく人間の事です。
 いまの日本人はそこまで覚悟を固めています。皆様御静聴ありがとうございました。

(罵声と怒号)
944名無し三等兵:2006/04/17(月) 21:52:38 ID:???
―中東大同盟は、結成から五年も経たずに実質的に機能停止した。
 イスラエルとアラブの基本的相違に加え、アラブ諸国の内紛が加わったからである。また、いくら日本に対し憎悪を募らせても、売り手と買い手としての日本が各国の経済に欠かせない事も大きかった。
 しかしながら、イスラエルの基本的生存権承認と東エルサレムへのイスラエル市民の自由なアクセスと引き換えに、ヨルダン川西岸区域にパレスチナ共和国樹立を認めた事で、中東紛争の最重要課題が収まった事は評価されるべきであろう。
  同盟機構そのものは現在でも存続しており、「利害なき第三者」としてのイスラエルはアラブの紛争のよき調停役となっている。
 西エルサレムにはイスラエル大統領府が置かれ、イスラエル国旗が高く翻っているが、その隣にはイスラエル国旗より常に高い位置に大同盟旗が翻り、世界最悪の不信心者に対する啓典の民の結束を示している。

 最後に、中東における一般的な日本人への観方を記しておく。一神教世界のどこに言ってもあまり変わりない。

「多神教徒の無神論者という、これ以上ありえない最悪な組み合わせ。
 滅びかけた世界中に武器を売り込んで、その日の糊口をしのぐ罰当たり。
 シャイロックから胸の肉1ボンドを本当に毟り取る、史上最悪の極悪商人。
 新たなるバベルの塔を天空に築いて天国を窺う不逞者。
 平気で嘘をつき、食べるためには誰にもなびき、日々を安楽に過ごすために歯なんでもする最悪の不信心者。
 地獄に落ちろ!」
 
確かにそうですね。否定はしません。
けど、今度はちゃんと蚊に生まれ変わりますから、しばらく人生というものを楽しませて下さい。