技本・技術実証機とかを語るPart9

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128TFR ◆ItgMVQehA6
と言う話をとあるオフ会で語ったら、参加者から「でも減速で凄いGが掛かるよね」と
言われてがっかりしたのが今年の思い出だったり。

まぁそれはさておき。

「ダブルデルタ&クランクトアローデルタとストレーキ付きクリップトデルタの違い」

これは単純、ストレーキは主翼の揚力を増大させつつ失速を抑止しますが、
ダブルデルタの内翼はそれ自体が揚力を発生します。

F−5E/Fに関して「主翼面積の5%に過ぎないストレーキが揚力の17%を発生させる」(数値うろ覚え)
と「世界の傑作機」に書かれていますが、ちと違います。
主翼の揚力を17%増やすのであって、もし主翼より前方にある
ストレーキが2割近くもの揚力を発生してしまったらピッチアップモーメントが激増して困ったことになります。

ダブルデルタやクランクトアローデルタはこれとは逆に、内翼にも揚力を発生させて
揚力分布を前後に分散させます。
揚力分布の分散は所要の強度分布の分散、所要厚みの分散を可能にして造波抵抗を減らします。

が、ピッチアップモーメントは激増します。
これはサーブ35ドラケンにおいて顕著で、エレボンで打ち消せないほど大きな
ピッチアップモーメントが発生して機首が垂直近くまで跳ね上がるスーパーストールを生じます。

クローズトカップルカナードは(上手く動けば)ストレーキと内翼デルタの長所を併せ持つのですが、
動作が不適切だとサーブ39グリペンのように墜落事故を起こします。