【砲撃】砲兵に華を持たせるスレ【開始】

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434名無し三等兵
 ついでの付けたし(蛇足どころかムカデかもしれん

 防御戦闘に於ける砲兵の一元運用としては、予め計画しておくというのがあります。
 つまり、任意の地点に敵が入ったら射撃とかってのを、いくつかパターンを作っておくわけです。いわゆる固定弾幕射撃での防戦の基本パターンですな。
 でも、この場合は、そのパターンに敵が応じないと困ったことになるわけです。
 また応用事例としては移動弾幕射撃(つまり弾幕ゾーンを動かしていく)で、任意のゾーンに敵が入ったと見たら、そこを中心に弾幕を動かしていく。
 これらは、弾幕ゾーンから敵が出ちゃうと意味がないわけでして、そしてこの弾幕射撃ゾーンは結構読まれるんですよ。極端なことを言うと、撃ってきた場所に近づかないってので対処できるわけで(まあ、だからってそれでは近づけないって事にもなるんですが)
 で、応用例は(フランス軍がやった手なんですけどね)弾幕ゾーンの外側に、ランダムで弾幕をずらすという技です。
 ある点に弾幕を叩き込んだ後に、その近くに弾幕をずらし、その瞬間に弾幕があった場所に友軍を突っ込ませるという使い方で日本軍もやってますが、これを防戦で使うのがフランス流の応用例。
 砲撃の散布界を前提として、散布界単位でゾーンを区切って、弾幕を形成します。
 次に、適当なタイミングで、弾幕を横とか前後に動かすのです。弾幕ゾーンを察知して、その外側に一旦たまった後に突入機会を伺おうとした攻撃側部隊は、気が付くとずらされた弾幕の火網に捕らわれるという寸法です。鬼ですね。さすがWW1の陣地戦で培ったノウハウですな。
 この弾幕射撃は移動弾幕射撃の亜流ともいえますが、移動していくのではなくて、ポンとずらされるところに嫌らしさがあります。
 そして、この射撃法は、ある程度の状況観測能力を必要とします。また弾幕射撃で殲滅する以上、弾数もですが、斉射に参加する砲数が鍵になります。つまり中々にえぐくて
強烈なんですが、上手く使うには、前線分与方式と一元直轄式の双方の良いところを組み合わせないと効果的にはなりません。
 状況をある程度冷静に把握しながら、効果的に敵攻撃部隊の衝力を削いで行く、それも夜間にというのが、米軍の指揮システムの凄いところだったわけです。
435名無し三等兵:2006/03/14(火) 00:05:03 ID:???
 では、発想転換が対抗する日本軍にも必要です。
 今までの夜襲は、敵砲兵が活発に活動できない。陣前の防衛火網も計画に基づくある程度硬直化したものにならざるを得ないはずなので、断固たる決意を以って必勝の信念に基づいて吶喊すれば、一定レベルの損害はこれを堪忍するということで何とかなるはずでした。
 例えば、日本軍は比較的狭い正面に攻撃を集中させる傾向があります。あまり多数の攻撃点を選ばないといえますね。これは敵が砲兵をそれぞれある程度の担任正面に分派している「はず」だからです。
多正面に攻撃を仕掛けると、敵砲兵の殆どが射撃機会を得てしまいます。でも攻撃正面を限定すれば、撃って来れる、つまり予めその正面に充当されていた火砲は、全体のごく一部になる「はず」だったわけです。
 弾幕射撃なんかは恐るべしものではないはずで、そんなもの日本軍の常識からしたら、駆け抜けてしまえば如何ということはない「はず」だったわけです。もしも、その正面を破砕するに足るだけの火砲をそこに投入し
てきてるなら、別方面に同時に攻撃を仕掛けてる部隊は無抵抗で抜ける「はず」ですしね(だから一正面にだけ限定はしないで、でもなるべく多くはしないで仕掛けてるわけです)
 で、適宜適切に嫌らしく弾幕を送り込め、しかも多数の火砲を集中運用することで弾幕の殺傷力を極度に高めた米軍の防御射撃によって頓挫しちゃったわけです。
 鍵は前線にあらずというのを理解すれば、攻撃手段もわかりますね。
 つまり砲兵をして、攻撃に呼応して、敵陣地後方に擾乱射撃を送り込めばいいのです。
 敵砲兵が対応しないならば、そのまま砲火を狙って対砲兵射撃をすればよい。まあ確実に敵砲兵は我が砲兵に対砲兵戦を挑んでくるでしょうけど、我が歩兵を撃てる砲が減りますので、これも良い。
 まあ昼戦と変わりません。後は騙しあい。
 我が砲兵は敵砲兵を拘束できればよいと開き直れば、分散して他方向から五月雨で撃ってみる等の工夫で、少なくとも半日程度の攻防戦なら敵砲兵を拘束できなくはないでしょう。
 つまりは、砲兵火力(砲数や弾薬数)ではなく、砲兵火力の使い方の部分に鍵があったわけです。