【砲撃】砲兵に華を持たせるスレ【開始】

このエントリーをはてなブックマークに追加
425名無し三等兵
 ギボねた。

 結局のところ、陣地攻防戦の火砲運用の最大の肝は砲数でも弾薬数でもなくて、機に応じて射撃できるかどうかなんだよね。
 ある陣地が攻撃に晒されてると知ったとしても、各火砲が射撃できるのかというと「出来ない」のですよ。
 これをある形で出来るようにしたというのが米軍の突撃破砕射撃の恐ろしさなんですよね。
 弾幕射撃の強烈さに圧倒されるんだけど、でも実際に米軍が持ち込んだ砲の数は大したことがない。
 大したことのない砲で、どうしてあんな弾幕が作れるのかというのが肝要なわけで、それを理解したときに、たぶん参謀本部の砲兵将校は打ちのめされたでしょうね。
 あれは理想の究極の砲兵運用に近いんです。あれをもっと洗練させるとRMAになるんだけどな。
 まあ、原型はフランス軍が作ってるんだけど、よくもあそこまで持ってきたもんだと感心する。

 砲兵戦力の効率的運用法の最たるものは、一元集中管理なんです。
 要請を指揮所にあげると、指揮所が今撃てる砲兵を探して、そいつに「撃て」と命じる。
 映画で良く見るでしょ。あれ。
 でも、これは問題点があって、上まで数段持っていって、次に下に数段持って行かないと、要請が砲兵に届かない。更に言うと要請を受けても、その地点を照準できる状態に無いと撃てない。
 つまり動きが鈍くなるし、確実性も怪しい。
 だから、状況に応じて、砲兵は任意の前線部隊の直接指揮下に入る。そうすれば要請から射撃までは早い。
 でも、これだと、別の場所で砲兵が必要なときに困る。一元管理方式と分属方式のどちらが良いかはケースバイケースなんだけどね。
426名無し三等兵:2006/03/13(月) 19:43:50 ID:???
 米軍がやった突撃破砕射撃は、一元管理です。
 陣地後方に陣取ってる各種火砲の多くは、指揮所直轄です。指揮所で状況を見ながら、必要な場所に集中射撃をします。で、指揮所からだと細かい状況は見えないので、弾幕射撃になる。
 しかも、状況不明であることから、開き直って梳櫛射撃をする。
 ここまで来ると、単なるめくら撃ちに近いんだけど、あんまし真面目に狙ってないので、前線の一部を崩されても観測が阻害されるという問題が無い。観測はそれこそ戦況がそれに代わるという感じ。
 どこが圧迫されているから、たぶん敵はこういう感じでここからこっちに向かってるだろうから、ここら辺を中心に耕しちゃえという感じ。
 これは弾数の凄さ以上に、そういう指揮を行えるという、指揮所が凄いというか、たぶん狙っても当たらないし、要請を受け付けて前線と繋げるというような形では時間ロスもでかいから仕方がないんだと思うんだけどね。
 つまり、これは情報が一方通行なんです。
 言うならば、前線の各陣地を監視哨として扱うわけです。
 陣地攻防戦そのものは「如何でもよい」というのは、攻撃側に於けるある種の発想の転換でした。
 陣地は目的にあらず、じんを素早く抜くことが目的。陣地の裏にある要衝を突くのが目的なのであり、素早く要衝を押さえてしまえば、戦いは勝利できるし、ちんたらやってるよりそっちのほうが損害総数も少ないというものですね。
 これを防戦でやってみせたのが米軍だとも言えるでしょう。
 地図と監視哨と砲兵と通信ネットワークで戦場を管理しちゃったんです。

 ね?
 絶望を感じるでしょ?
 勿論、これは理想には程遠い完成度です。
 いくらでも付け入る隙はあるんですが、それをするには日本軍には色々足りない部分があるというか、攻撃側にも発想の飛躍が必要になるんですね。