中国のSu-27ライセンス生産の実態については異なる記述もあるので困惑することも多いが、中国の軍事雑誌『武装
力量』2005年1月号「中国蘇-27系列飛機全史」等によると以下のようになる。
Su-27SK/UBK アビオニクスのグレードダウンと限定的な対地攻撃能力の付与が特徴、対空兵器としてはP-27、P-73
AAMを使用可能だが、現時点でアクティブBVR-AAMの使用は不能。SKを36機、UBKを40機導入
殲/J-11 Su-27SKのライセンス生産型。 瀋陽飛機公司で15年間で200機のライセンス生産を行う契約。
のちにスホーイはSu-27SMKのライセンス生産を提案するが、空軍は複座多用途戦闘機である
Su-30の導入を決定し、Su-27SMKの生産は行われないこととなった。生産されたJ-11の総数は
72、95機等の説がある。これらの機体に対してはスホーイと瀋飛によるアップグレードが計画され
ている。これにより、多目的同時処理能力の向上やアクティブBVR-AAMの導入が可能になる
生産途中でのアップグレードの情報もあるが、実施の有無を含めて詳細は不明
殲/J-11B J-11の能力向上型として提案。アビオニクスやエンジンなどに中国産コンポーネントを使用して
Su-27SMKに準じた能力向上を行うことが目され、 開発中の閃電10BVR-AAMの搭載も可能とさ
れた。コンポーネント開発の難航や、空軍がSu-30を採用しJ-11の生産が終了した現在J-11Bが
実際に生産されるのかは現段階では明らかでない
殲/J-11C 中国海軍が航空母艦を建造した際の艦載機としてJ-11が採用された場合の仮称。今の所実体は無い
この分類も確実ではないので、間違いがある際には指摘していただければありがたい
1994年から2004年にかけて中国はSu-27関連に100億ドル以上の投資を行ってきた。その過程では整備能力不足や
在来機とSu-27の能力格差による事故多発、多くの困難に見舞われたライセンス生産などの問題が噴出した。これは
文革や天安門事件による技術的断絶を補うための高い授業料だったといえよう。このあたりの話は戦後の日本航空界
の苦労と被る物を感じる
>>728 d。
流石に詳細やね。
しかしアップグレード機が何機あるかはやっぱ不明か。
$100億か。中国の軍拡はマヂなんだなぁ。早晩、フランカーのライセンス生産で
まともな戦力を得ることになりそう。なんだかんだいっても中国の工場でも
だんだんまともにQCの概念が入りつつある (じゃないと国際競争力を持てない)。
んで、生産性も品質も向上中だし。
J7の生産ラインの写真で、工場のおばちゃんが、レドームのマスキング作業をして
いるシーンがあったっけw
>>734 現在の所、中国におけるSu-30の生産は確認されていない
一説には技術移転に関する交渉が妥結しなかったとの話、またJ-11の生産の紆余曲折から、国産から輸入へと政策を転換したとの説もある
瀋陽飛機公司もいつまでも殲-8ばかり作っているわけにもいかないし、中長期的な国産コンポーネント開発の努力は継続しているので、いずれ
何らかの形で製作されるような気はするが、今の所は相変わらず詳細不明といったところである
とりあえず2010年までは、150〜300機の間と推測して
その間に30機ずつ増加していくと仮定しておこう
>>735 日本の調達数見てるとめまいがしてくるというか。
平成17年度
F15近代化改修 4機
F2調達数 5機
OTZ
軍事力なんて基本的に数が勝負なのに、もはや数では勝負にならんな…
つーか三十機なんて可能なのか?
と日本基準に染まった俺が言う。
アメリカはラプターを年産20機だ
いくら空自がF-15を200機以上所有しているとはいえ、中国が年平均30機も
フランカーを導入しているとなると、あと2〜3年で空軍力が逆転しそうだ罠…
>>742 きちんと運用できれば確かに脅威かも知れんが、な。
>>743 中国の運用能力がずっと低いままと見くびるのはどうかと。
なんだかんだいっても工業大国になりつつある国なんだし、
優秀なパイロットを輩出できるだけの人的資源や教育体制を
確立するのも力業でなんとかしちゃう政治体制なんだし。
あと数年でまともに運用可能なフランカーが200機以上揃うという
ことを前提に、防衛体制考えないといけないでしょ。
海軍だって昔から原潜の運用しているし、いまやいつ空母が出てきても
おかしくない状況だし。あんまり中国の脅威を喧伝するのはアレだけど、
尖岳諸島はもちろん、沖ノ鳥島への言いがかりやら、経済成長と軍事力とを
背景にした拡張主義には警戒感を抱かざるを得ないんで。
中国のSu-30導入数については、
>>728 であげた『武装力量』2005年1月号「中国蘇-27系列飛機全史」によると以下の通り
1999年3月 Su-30MKK 38機を購入する契約締結(2001年12月までに納入)
2001年7月 Su-30MKK 38機の第二次購入契約 (2002年中に納入完了)
2003年1月 海軍航空隊用のSu-30MK2 24機の購入決定(2004年8月までに納入)
中国が入手したフランカーの総数については
Su-27SK 36機、Su-27UBK 40機、Su-30MKK 76機、Su-30MK2 24機
国産の殲/J-11の生産数は不明だが3個スコードロンに配備されていることから(中国軍のスコードロン単位は24機)72機という説、95機
分のコンポーネントを入手したという瀋陽飛機公司のコメントから最大95機という説がある。当初の計画では一年14機生産で15年間で200
機を取得する計画であった(生産開始は1998年9月1日)
合計するとその総数は246〜269機となる。フランカーが配備されたスコードロンは計11個なので完全充足するとして264機が在籍すること
になるが、事故で失われた機体は以下のWebページによると
ttp://military.china.com/zh_cn/bbs/11018441/20050525/12342296.html Su-27SK/SKM(資料ママ)7機、Su-27UBK 3機、Su-30MKK 3機、Su-30MK2 1機
となるので、2004年の時点で総数は232〜255機の間となる
なお契約額からSu-30MKK一機あたりの費用は3500万ドルから3700万ドルと推測できるとのこと
この後Su-30MK2 48機の追加購入が行われた、Su-30MK3の購入交渉決裂の報道もあるが現時点では確認されていない。
J-11の生産数が不明なので確たることは言えないが、年15〜20機程度のペースで増加していたことになる
最終的には中国空軍は400機のフランカーを保有したいと希望しているとの推測もある
>>741のグラフで驚かされるのは、2000年から04年の間で戦闘機の総数が3000機超から2000機を割り込むまで減少している所である
次世代機開発が難航する中、空軍戦力を維持するためにもフランカー導入が推進されたといえるだろう
転載【中】J10や87式や98式等の眷属について語る【国】より
http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1117642284/l50 31 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2005/06/11(土) 01:53:36 ID:???
中国の軍事雑誌『兵器知識』2005年第2期に「蘇-27的戦備保障」と題したSU-27の整備に携わる技師達へのインタビューが掲載されておりました。
新世代の機体の運用に苦慮した様子、整備の苦労が伺えました。この記事で明らかにされたSU-27の整備における問題点を以下に抜出してみました
・当初、潤滑油はロシアからの輸入に依存し、潤滑油不足を招く。現在は解決済み
(中国製の潤滑油は硫黄分が多く、使用すると配管をふさぐため使用できず。)
・整備、維持用の機材や車両は1970年代の技術に基づくものであり、重量容積が大きく空輸できないものが多い(整備できる基地が限定される)
また機材の故障率が高いことも問題になった
・SU-27の整備には大型の発電車、高圧酸素窒素の供給が不可欠。SU-27用の地上での空調施設は一式十数万ドルであり購入数が限られる
各整備機材間のシステム化がされていないため、整備に時間を要する
・SU-27は高温地域での運用を前提としておらず、レーダー、電子装備は湿気や高温による影響を受けやすい。電子装備の絶縁体に影響し、不正
常な警告やライトの点滅が発生
・SU-27の整備自体は、第1世代、第2世代の戦闘機と比べると人間工学に基づく設計がなされている(機体を分解せずエンジンを換装できる、整備士
が立った姿勢で整備できる位置にアクセスパネルを配置等)
ただし、総体としての整備システム構築という点ではアメリカ機に劣る。弾薬の装填、交換もアメリカ機より非効率
・SU-27の塗装は光沢を抑える効果があり、視認性低下に役立つ。当初それを知らない整備兵は熱心に機体を石鹸で洗浄、水洗いしてピカピカに洗い上
げて、塗装の効果を無くしてしまった上に、洗浄水が機内の電子装備を故障させることがあった(注、整備マニュアルの不備か?)
・SU-30の整備はSU-27と大差は無い。ただしSU-27には無い空中給油装置により燃料系統に違いがある。また改良された電子装備により整備も複雑化
転載続き なお文字規制により上の文は改行を減らしました
36 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2005/06/11(土) 04:58:08 ID:???
31です
>>32様
この記事はSU-27の整備が主題なのに、まるでアメリカの航空機整備体制の
賞賛記事かと見まがうような文章になっていたのが印象的でした。
アメリカ機を直接見たとの記述はなく、内容などから判断して公開情報をベース
にしたものと思われます。その詳細な記述からは、海外技術への強い関心が見て
取れました
37 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2005/06/11(土) 12:32:05 ID:???
>SU-27の塗装は光沢を抑える効果があり、視認性低下に役立つ。当初それを知らな
>い整備兵は熱心に機体を石鹸で洗浄、水洗いしてピカピカに洗い上げて、塗装の効
>果を無くしてしまった上に、洗浄水が機内の電子装備を故障させることがあった。
・・・整備マニュアルもないのか・・・
40 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2005/06/13(月) 08:59:48 ID:???
>>37 ロシア人がわざわざ中国語マニュアル作って売り込むほどまめとは思えんw
41 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2005/06/14(火) 05:21:17 ID:???
ロシア製兵器のマニュアルは常にロシア語で書かれている
42 名前: 名無し三等兵 [sage] 投稿日: 2005/06/14(火) 09:11:15 ID:???
ロシア語で考えるんだ!
おまけ
【中】J10や87式や98式等の眷属について語る【国】の161で紹介されていた動画
ttp://www.jf-17.com/videos.htm の一番上「JF-17 Assault」
パキスタン空軍のJF-17(FC-1のパキスタン名)、F-16、チョイ役でF-7PG、ミラージュ3とインド空軍のSu-30MKI、Mig-29が
入り乱れて戦うCG動画
Su-30MKIのクルビットやコブラ機動、JF-17のRD-93エンジンが高出力時に黒煙を排出する所も再現
ただし主役がJF-17なので主人公補正がかかっている