病室には妹の苦しそうな吐息と心拍計の電子音だけが響いている。
妹の白い顔は時折苦しげに眉をゆがめるが、それ以外は至って静穏
なものだ。
とても、医者がさじを投げた患者には見えない。
なんで、俺じゃなくて妹なんだ。まだ中学生じゃないか。あんまりだ。
「お兄ちゃん……」
いつもの祈りとも呪詛ともつかない思いが終わる前に、妹が静かに口を
開いた。
「……なんだ?」
「わたし、飛行機に乗りたいよ。」
飛行機どころか、この1年自転車にだって乗れていないのに。
「飛行機か。……どんな飛行機に乗りたいんだ?」
「うん。」
ちょっと考え込んだ妹は、儚げに笑ってこう答えた。
「震電」
それなら、 某県猫見市の猫見工科大学にあるという噂だ、もしかしたら…
兄のわずかな希望を打ち砕くかのように妹は再び口を開いた…
「飛車角プロジェクトのやつ」
ちょwwwwwそれwwwwwww二〇式超音速巡航戦闘機wwwwwww