○×大東亜戦没客船と貨物船のスレ×○

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253名無し三等兵
吉村昭「海の柩」であれば、「文庫版のためのあとがき」に、将校の一人と漁師に
取材した、とありますね。(文春文庫「総員起シ」所収)。「万年筆の旅」に取材
の話が出ていたと思います。
で、「海の柩」に出てくるのは、
>ただ一隻脱出した連隊旗だかご真影だかを積んだボートに群がる兵士の腕を
ではなく、三隻のうちの一隻に乗っていた将校に取材している場面ですね。
作品の最後の章です。
(この人は、暗号書を抱えていたため、切ってはいないが、靴で蹴った、と
語っています。)
254名無し三等兵:2006/01/06(金) 15:58:27 ID:dQlyzHTs
まあ、吉村が妄想か現実か判らんがw
たぶん妄想劇の一つだろw

船が沈没する際に救命ボートに定員数を超えて人を載せたら沈没して二次被害になった例もあるし。
戦時で無く平時でもボートが危険な場合は容赦無くボートに掴まろうとする人を
オールなどで叩いたりした話など幾つもある。
255名無し三等兵:2006/01/06(金) 16:09:09 ID:???
ん?
何故、吉村氏が妄想劇なんぞをわざわざ短編にする必要がある??
256名無し三等兵:2006/01/06(金) 18:45:19 ID:???
>>255
ボートに縋りながらも、切られたり靴で蹴られた兵士が「天皇陛下万歳」と叫んで溺れていく点
257名無し三等兵:2006/01/06(金) 22:10:47 ID:???
>256
>ボートに縋りながらも、切られたり靴で蹴られた兵士が「天皇陛下万歳」と叫んで溺れていく点
 そこの部分は、取材を受けた元将校が、「兵士たちはなにか言いましたか」とい
う問いに対して答えた文言。吉村氏も、おそらくは答えたご本人も信じちゃいない
でしょう。「私は、ノートをとる手をとめて男の顔を見つめたが、窓の外に視線を
そらせた。」とありますし。
 いずれにせよ、話の主題は、将校だけがボートで逃げた上、下士官兵を救助しよ
うともしなかったという部分で、漂着した遺体の中に腕のないものが多数含まれて
いたというのは付随的な話ですね。「腕を切った」というのは、最後にある「将校
の証言」にあるだけですし。
 漂流者の中に将校は中尉が一人だけで、他はみな舟艇で上陸。救助に舟艇を向か
わせることもしないどころか、「二、三隻でいい」と言い、結果的に死者を増やし
た、と。
 舟艇で逃げた将校たちが、兵や村人の視線を逃れるように早々に立ち去り、救助
された兵たちが、「おれはいい。ほかの兵を先に助けてやってくれ」と言った、救
助された中尉の点呼を受けて立ち去る場面が印象的でした。