しょうもない知識を披露するスレ 第8幕

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605名無し三等兵
明治の軍政史上、奇妙な一文が存在する。
「皇族自今海陸軍に従事すべく被仰出候条、為心得此旨相達候事。但年長之向は此限に在さる事」

これは明治5年の徴兵令案にあるものであるが、この時徴兵令は10年後の実施予定にも関わらず
この令達だけは即時実行されているのである。なぜ皇族の年長者を慌てて軍から遠ざけたのか。

賀陽宮朝彦親王は最初、中川宮を名乗り、後に久邇宮家を開き魔王宮と称された稀代の傑物である。
僧籍にあったが、経など唱えず槍を修行し武を愛し、五斗俵を持ち上げ剛毅、豪快、大声、大力の荒法師、
神社の巫女を孕ませるなど、神仏も恐れないとても皇族とは思えない豪胆豪放な人物であった。
孝明天皇の黒幕として宮中の実権を掌握し、安政の大獄によって追放されるも公武合体論を作り上げて
徳川家に近づいてすぐに復権し、その政治手腕の高さと行動から魔王宮と呼ばれるようになった。

孝明天皇の跡に明治天皇をつけた外祖父中山忠能らの新天皇一派にとっては賀陽宮朝彦親王の駆逐が
最大の懸案であり、それは明治新政府にとっても絶対の課題であった。
なぜなら孝明天皇は在命中、二度も賀陽宮朝彦親王に譲位をしようとしていたからで、天皇の側近と、
明治天皇を担ぐ新政府としてはその正当性を覆す魔王宮の排除は急務であったからである。
606アドバンスト社聖 ◆REH634FRNQ :2005/09/12(月) 06:17:37 ID:???
>神社の巫女を孕ませるなど
許しがたいな。
607名無し三等兵:2005/09/12(月) 06:21:59 ID:???
そこで徳川慶喜と連絡をとって陰謀を画策したとして反逆の罪で一庶民に落とし追放したのだが、
天皇親政を発布すると慣習から魔王宮の罪を減じて皇族に戻すしかないのである。
そして近代国家として徴兵制はあらゆる者が徴兵対象で皇族もその対象でなくてはならない。
しかも既に任じている皇族の階級から、年長の魔王宮を軍の最高位である大将にしなければ格に合わない。

権力を握り、近代国家を作ったら魔王を復活させ、自らの首を絞めることになるとは盲点であった。
何度追放しても舞い戻る正に魔王の名にふさわしい槍を振り回す怪物に軍の最高位を与えるなど
反乱を起こしてくれというようなもの。等しく徴兵するといいながら、ただこの魔王を恐れて
「但年長之向は此限に在さる事」の一文を加え、伊勢神宮祭主として名実共に中央から遠ざけたのである。

後の宮中某重大事件の背景には魔王の孫娘である久邇宮家の娘と将来の皇位継承者が婚姻すれば、
外戚として再び魔王宮が政治の中枢に入り込むのではないかと山縣らが恐れたためともいわれる程に、
明治政府を脅かす脅威でありつづけたが、復権することなくついに明治24年に薨去した。

明治天皇より始まる大日本帝国の幕引きをしたのが、戦後最初の首相にして唯一の皇族首相
東久邇宮稔彦王、魔王宮と恐れられた賀陽宮朝彦親王の子であった。