蒋介石の日記 1938年1月22日
倭寇は南京であくなき惨殺と姦淫をくり広げている。野獣にも似たこの暴行は、もとより彼ら自
身の滅亡を早めるものである。
それにしても同胞の痛苦はその極に達しているのだ。
(『蒋介石秘録 12巻』(サンケイ出版 1976)所載)
蒋介石「日本国民に告げる書」(1938年7月7日)
貴国の出征将兵はすでに世界で最も野蛮、最も残酷な破壊力になっていることを諸君は知っている
だろうか。貴国がいつも誇っている「大和魂」と「武士道」はすでに地を払い消滅してしまった。
毒ガス弾ははばかることなく使用され、麻薬販売は公然とおこなわれ、すべての国際条約と人類の
正義は貴国の中国侵略軍によって乱暴に踏みにじられてしまった。そのうえ一地区が占領されるご
とに放火・略奪の後、遠くに避難できないわが無辜の人民および負傷兵に対し、そのつど大規模な
虐殺をおこなった。
(南京事件調査研究会『南京大虐殺否定論13のウソ』(柏書房 1999)所載)
週刊誌「群集」(中国共産党長江局発行)1938年1月1日号より
・・・・しかし、南京・上海沿線、とりわけ南京市の大虐殺は、人類有史以来空前未曾有の血なま
ぐさい残虐な獣行記録をつくることとなった。これは中国の全民族に対する宣戦にとどまらず、全
人類に対する宣戦でもある。
(南京事件調査研究会『南京大虐殺否定論13のウソ』(柏書房 1999)所載)
南京特務機関宣撫班第三回報告書より
紅卍字会の死体収容
本会の死体収容工作開始以来既に三ヶ月黙々として其蔽清に當りつつある点真に賞賛に値すべく而
も何等訴える事無く遂に彼等全額の準備金は既に消費し燼し最近に至り初めて行動不能の域に達し
たる旨の嘆願あり尚各城外地区に散在せる死体も少からず然して積極的作業に取りかかりたる結果
著大の成績を挙げ三月十五日現在を以て既に城内より一、七九三、城外より二九、九九八計三一、七
九一体を城外下関地区並上新河地区方面の指定地に収容せり
春暖に伴れ更に収容埋葬に手数を要する事となり疫病の発生其の他を考慮して極力其方策に対し講
究中なるが既に紅卍字会のみの資力にては到底至難の業たる事も明白となり何等かの方法を以て資
金援助の方途を講ずべき時機に??せり現在使用中のトラック毎日五-六両人夫二-三百名を要し
既にガソリンの補給並人夫賃捻出も同会にては其方途無き迄に立至る然して右収容開始以来同会の
費消せし金額は壱万壱千壱百七拾五元に及尚埋葬と?するも只アンペラ包の体該地区一帯に大部分
は放置しある状況にして、埋葬済み以前の死体の土盛並墓地の消毒作業は絶対的の必要条件と思考
せらる同会作成の予算表に依れば右経費八千九百五拾元を計上しあるも同会としての今後の活動は
全く不可能の域に到達したる為右経費援助に関し目下研究中にあり
(井上久士 編『華中宣撫工作資料』(不二出版 1989)所載)
(※但し原文旧字カタカナを引用者改め)