【双発雷撃3】九六陸攻・一式陸攻・銀河・四式重爆

このエントリーをはてなブックマークに追加
742FW190Ta152H-1
潮書房:世界軍用機解剖シリーズ・丸メカニックNo.46 1984年5月 合併号「銀河/一式陸攻」
P.118〜P.121「(一式陸攻の)各型変遷・戦歴・塗装・マーキング」秋本 実:文 の記述
によると、
 「各型変遷            技術面でも用兵面でも海軍用の航空機の歴史を
大きく書き変えた九六式陸上攻撃機が活躍を開始して間も無い昭和19年の9月末、その
後継機として、十二試陸上攻撃機の開発が三菱に命じられた。そして14年9月に第1号機
が完成、16年4月には一式陸上攻撃機として採用され、終戦までに2416機生産された他、
姉妹機の一式大型陸上練習機や一式陸上輸送機が30機作られた。一式陸攻は大別すると、
G4M1、G4M2、G4M3の3系列があり、主な改造型の数は20を超えている。

十二試陸上攻撃機(G4M1):試作機。エンジンは火星11型(1530hp)、2機(14年9月1
1号機完成、15年2月2号機完成)。2号機は垂直尾翼を大きくし、補助翼にタブバランスを
装備した。
一式陸上攻撃機11型(G4M1):16年4月2日制式採用。火星11型装備。ハミルトン3肢ペラ、
燃料総容量4780g。武装は7.7mm銃4(前方、上方、側方左右)、20mm銃1(後方)。全
備重量9500(正規)〜12,500kg(過荷)。最大速度428km/h、3〜405号機。気化器空気
取り入れ口や滑油冷却器はカウリング内に納められていた。
12型(G4M1):仮称13型の成果に基づきエンジンを火星15型に換装した改良型(406〜
1200号機)。カウリング上面に気化器空気取り入れ口が設けられているのが11型との相違点。
953号機までは11型同様集合排気管であったが、948号機でテストの結果、954号機以降は推
力式単排気管を装備。更に、663号機以降は主翼のタンク下面に厚さ30mmの防弾ゴムを張り付
けた。この為抵抗が増え、最高速度が9km/h、航続距離が315km(偵察状態)低下した。
仮称13型(G4M1):高性能向上の為、火星25型(1850hp)に換装した実験機。241号機
を改造。19年9月に完成。」
743FW190Ta152H-1:04/12/30 06:08:16 ID:xsjvFcAs
742の続き
「22型(G4M2):エンジンを水メタノール噴射付きの火星21型(1850hp)に換装、主翼
を再設計するなどの大改修を行った性能向上型。主な改修点は、正規全備重量を9,5
00kgから12,500kgに増加したのに伴う補強、主翼の翼型を層流翼型とし、最大翼厚
を12%から15%に増加、水平尾翼増積、推力式単排気管採用、VDM4肢ペラ装備、燃
料タンク総容量を4900gから6490gに増加し、増槽(960g)を廃止。爆弾倉扉の追加
(生産65機以降)、尾輪引込化等で、武装も、上方銃座を20mm動力銃座にし、機首
両側に7.7mm予備銃支基を追加した結果、7.7mm銃3(前方、側方左右、)、同予備銃
1、20mm銃2(上方、後方)に強化された。前方銃座も動力式に改められており、測
方銃座は水滴から平滑な開閉窓式になった。また後方銃座のスリットも広げられV字型と
なった。更に2105号機以降は夜間爆撃の便を考え前方銃座風防の一部を平面ガラスにし
た。
 17年11月試作1号機完成、18年7月量産1号機完成試作機4機(2000〜2004号機)、
量産機270機(2005〜2274号機)、計274機。窓が増えた機首、丸くなった翼端、4肢
ペラ、単排気管、カウリング前面下部に開口した滑油冷却器空気取り入れ口、下方へ膨ら
んだ爆弾倉扉、上方、側方、後方銃座の形状等が識別点、最高速度437km/h。
22型甲(G4M2):22型の武装強化型。側方銃を20mm1号銃に換装(7.7mm銃1、同
予備銃1、20mm銃4)。レーダーを装備、2275〜2324号機。
22型乙(G4M2):22甲型の上方銃を20mm1号銃から同2号銃に換装した改良型。
2325〜2374号機」
744FW190Ta152H-1:04/12/30 06:28:26 ID:xsjvFcAs
743の続き
「24型(G4M2A):火星25型(1850hp)装備の改良型。カウリング上面に気化器、下面
に滑油冷却器の空気取り入れ口が開口しており、側方銃座の窓枠が十文字形なのが識別
点。武装は22型と同じ。19年5月1号機完成、同10月制式採用。2501、2503〜2514号機、
水島12056号機〜。全備重量12000(正規)〜15395(過荷)kg、最高速度450km/h。
24甲型(G4M2A):24甲型の上方銃を20mm2号銃に換装。2530〜2700号機。
24丙型(G4M2A):24乙型の前方銃を13mm銃に換装。2701号機以降。
24丁型(G4M2E):桜花11型母機。胴体タンク、燃料コック、操縦席に防弾鋼鈑を追加、二
番タンクに四塩化炭素の液層を設けた。2594〜2600、2603〜2605、2631〜2640、2651〜26
60、2671〜2685、2691〜2700、2706〜2715、2751〜号機。なお、胴体後部側面に離陸
補助ロケットを装備したものもあった。
25型(G4M2B):24型の航空性能を向上する為火星27型に換装。試作機1機(2502号
機)のみ。19年7月完成。
26型(G4M2C):エンジンを燃料噴射式の火星25型乙に換装。2機(2601〜2602号機)
のみ。
27型(G4M2D):空技廠設計の排気タービン付の火星25型装備の実験機。22型3号機
(2003号機)を改修、ナセル右側に排気タービンを装備。19年8月完成。」
745FW190Ta152H-1:04/12/30 07:01:29 ID:xsjvFcAs
744の続き
「34型(G4M3、G4M3A):防禦力強化の為に計画された改良型で、仮称34型
(G4M3)と呼ばれた3機の試作機(3001〜3003号機、18年末1号機完成。19年1
月2号機完成、同2月3号機完成)は、エンジンを火星25型に換装、翼内のインテグラルタンク
をやめてゴム被膜の防弾タンクに改めた他、フレット追加などの改修が実施されていた。武
装は22型と同じであった。
 19年10月に完成した4号機(3004号機)以降が34型(G4M3A)で、武装が22甲
型同様7.7mm銃1(前方)、同予備銃1、20mm銃4(上方、側方左右、後方)に強化
されていた。そして後方銃座は回転式からB-17のようなタイプのものに改められており、
水平尾翼には上反角が付けられていた。銃座改修により尾部が短くなり、全長は19.5m
となった。全備重量は12500(正規)〜14325(過荷)kgで、航続距離は4334km(攻過)
に低下したが、最高速度は470km/hに向上した。生産数は34甲型を含めて約61〜62機。
34甲型(G4M3B):輸送、対潜哨戒用に改造した型。
34乙型: 22乙型、24乙型同様、上方銃を20mm2号銃に換装した型。
34丙型:24丙型同様、前方銃を13mmに換装した型。
36型(G4M3C): 3003号機と3015号機を改修。排気タービンを装備した実験機で、
20年1月に完成。テスト中に終戦となった。
十二試陸上攻撃機改(G6M1):十二式陸攻を長距離援護機に改修したもので、胴体
中央下面に前後に20mm銃各1を装備した流線形の銃座を設け、上方銃を20mm銃に強化
したほか、内方インテグラルタンクの前後壁に防弾ゴムを張り、外方インテグラルタンクを廃止し、爆
弾倉内にゴム防弾タンクを新設。武装は合計7.7mm銃3、20mm銃4となり、燃料タンク総容量
は3460gに減少した。乗員10、尾輪は引き込み式で機首側面の窓が少ない。初号機完
成は15年8月、30機生産。 
一式大型陸上練習機(G6M1):十二式陸攻改は当初の目的には使用されず、一式大
型陸上練習機の名で陸攻の訓練用に使用された。16年10月制式採用。
一式陸上輸送機(G6M1-L2):G6M1を人員、物資の輸送用に改修したもので、
胴体下面の銃座は廃止されて整形されていた。武装は7.7mm銃。乗員5、兵員20。機首
側面のハッチが楕円形になっているのが陸攻型との識別点。」