★信じられないが、本当だPart17

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73名無し三等兵
1930年代後半、内海の国と言う地理特性上機雷が怖いイタリア海軍はダイバー部隊を創設していた。
その際に問題になったのは時計である。
実は防水時計がメジャーになるのは1960年代の話で、当時は現在のいわゆるダイバーズウォッチが存在しなかった。
そこでイタリア海軍は出入りの精密機械メーカーにダイバー用防水時計の開発及び製造を依頼した。
そう、ここまでは良かったのだ。

イタリア海軍の依頼を受けたそのメーカーだが困惑してしまった。
なんと、当時のイタリア軍にはこの新規依頼した物に限らず時計に関するミルスペックが全く無かったのである!
「深度100mの潜水に耐えうる防水性を持つ事及び深度100mでの視認性を持つ事」
イタリア海軍が出した条件はたったのこれだけだった。
果たして出来上がった時計はと言うとまた凄まじい代物であった。
そのメーカーは秒針がない上に回転ベゼルもないと言う、
要するにただ単に馬鹿でっかいだけの防水時計をダイバーズウォッチとして納入したのである。
しかも実はデザインだけして製造はロレックス社に丸投げしていたりするのだから呆れてしまう。

その後1950年代に入って自社製ケースにモデルチェンジしたがまたもや回転ベゼルは無しであった(秒針は付いた)。
しかも驚くなかれ、お化けサイズのケースにぶち込まれた機械は今度はクロック用だったのだ!
ドイツ人なら石を投げつける事請け合いである。

気になるそのトンデモメーカーの名はパネライ。
あの馬鹿でかいケースはイタリア軍のトンデモダイバーの系譜だったのである。
ただし、現在のパネライの大半のモデルは現在ISOで規定されているダイバーズウォッチの基準を満たしていないため、
ダイバーズウォッチを名乗る事が許されなかったりする(笑)