泣ける話・・
不明の米ハミル氏、借金苦と妻の手術費のためイラクへ(CNN)
ミシシッピ州ジャクソン――イラクで武装グループに拘束される映像が世界中で放送された米国人トマス・ハミルさん(43)は、ミシシッピ州メイコンの元酪農家。
そのメイコンの住人は口々に、ハミルさんが危険を承知でイラクへ向かったのは、家族を支えるためだったと話す。
ハミルさんは親から引き継いだ酪農場をたたんで、長年の借金を返し、妻の心臓手術の費用を工面するため、危険だが高給の仕事を選んだのだという。
古くからの住人のひとりは、「ここは小さな町。みんな辛い思いをしてます。彼はただ、家族の生活を支えたかっただけ」と訴える。
ハミルさんの友人らによると、ハミルさんは家族が30年来続けてきた酪農業を維持するため、毎日身を粉にして働き、農協銀行に借金を重ね、その借金を返すためにまた夜遅くまで働いていたという。
しかし13歳と11歳の子供を育て、妻ケリーさんに心臓手術を受けさせるには、いくら働いても足りなかった。
ついに酪農場をたたむことを決心したハミルさんは昨年9月、乳牛を売り、搾乳機などの機材を売り、イラクで石油を運ぶタンクローリーの運転手になることを選んだ。
石油会社ハリバートンの子会社ケロッグ・ブラウン&ルート(KBR)が提示した報酬は、年間12万ドル(約1300万円)。しかも非課税だ。
ハミルさんは9日、石油運搬の車列を襲った武装グループに拘束された。
グループは、イラク駐留米軍が中部ファルージャの包囲を11日までに止めなければ、ハミルさんを殺害すると脅迫した。期限は過ぎ去り、ハミルさんの安否についての消息はない。
また13日には、米国人とみられる4人の遺体がバグダッド郊外で発見されている。しかし身元の特定がされたという情報もまだない。
(続く)