http://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1078588258/826-828の続き 大陸の南半分を支配するエルフの政体、判定者同盟。その名は政治形態に由来する。
世界を制した自分たちの力を信奉し、強い者が主導権を主張できるエルフ社会で、最も尊敬を受けるのが、各々の強さを見定める判定者だ。
彼らによる大陸支配が成立すると点在する住処は翼で結ばれ、利害の処理単位は各家族内から所領間に拡大された。
衝突を力で解決しようと、自分の力を信じるあまり死ぬまで戦う者があらわれ、数百年を生きる命が数多く失われる。
この事態を憂いた者たちが、争う当事者が命を落とす前に、誰が何ゆえに勝者か宣言して、争いの場を収める体系を創りあげた。
理論的な思考で種族の未来を考え、正しい決断を下すことを追求する彼らは、判定者と呼ばれるようになる。
平等公正をつらぬき尊敬信頼され、やがて、争う前に問題を解決することを頼まれる存在へと、役割を変えていった。
権を集め、判例と知識を集積し、どこの所領にも属さない集団をつくると同盟首都「プタン」を建設する。
位置は黄土に染まる大河が山地を抜けて平原へと出る場所。こちらの世界でいう中国の、洛陽の辺りだ。
首都が建てられて最初の仕事は、大陸に散らばるエルフの意志疎通を確実にするための、文字や言語の統一だった。
これが紛糾し、北方狩猟者連合をはじめとするいくつかの集合体や多くの所領が抜け落ち、現在の同盟が形作られる。
現在でも辺境では所領の統廃合が起こり、同盟北部では首都プタンを「フタン」と発音しているのが、その名残だ。
同盟発足当初からこれまで、判定者は推薦により選出されてきた。
試合により選ばれた同盟十六強が、順位に応じた権限で、公正と認められる判定を下した者を選び出す。
判定者は同盟政策に関わる第一判定者を筆頭に部門ごとに組織化されて、専門分野にそれぞれ就けられている。
召喚実験計画は同盟政策の中でも極めて重要な位置にあり、計画を束ねる長は、第一判定者に次ぐ権を与えられていた。
各領主への協力要請権を持ち、計画投入資源の使い道を自由に決定し、事後報告だけで済ますことが許される。