自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第19章

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579田中魔王の中の人 ◆5GBapmFDjc
結局、演説の後大きな騒ぎもなく、○○新聞等の総火演に取材に来てたマスコミが愚痴るだけで、「自分たちだけで他国に避難して、自力で保護を求める」なんて奴は出なかった。

その替わりに。

「草鹿一尉、大至急本部へお越し下さい。」

事前の指示通り警護が終わり次第、すぐに元の警戒任務に戻る。
そのつもりだったところ本部の方から伝令らしき二士が走ってきた。

「部下達は行かなくてもいいんだな?」

やっとの事でプレッシャーから解放された我が小隊は
そこにしゃがみ込んでいる者、隣り合った者と思わず抱き合って喜ぶ者、曹から指示を受けている者と様々だった。

「はい。草鹿一尉と聞いております。」
「判った。源田、後は頼む。」
「判ってるッスよ。行ってきてくださいッス。」

伝令に連れられて本部へ書けて行くと途中から声が聞こえてきた。
そして声の方には人混みが。

「放してくださいよ。怪しい者じゃないよ。良いから田中議員に会わせてよ!」

誰かが本部前で騒いでいるようだ。
何とか隙間を拡げて本部に入り報告。

「草鹿一尉出頭しました」
580田中魔王の中の人 ◆5GBapmFDjc :04/03/21 02:57 ID:???
その声が終わるか終わらないかの内に、外で暴れていたらしい男が入ってきた。
何というか重量感あふれる体躯に、森林迷彩のパンツ。
汗をかなりかいていて、手にはノートパソコンを持っている。
というか多分一言で言い表せる外見の男が。オタク(太)。

「こんな事もあろうかと!そう、こんな事もあろうかと!
いつ異世界に飛ばされても良いように、タイムスリップしてもいいように各種基礎データからF8Fの設計図まで!
役立つデータをここに満載して持っています。」

満面の笑みを浮かべ手荷物パソコンを掲げる乱入者。
…………っっはっ。意識が飛んだか?
我に返るとほぼ同時に山下陸将の声が掛かった。

「彼を拘束したまえ。錯乱しているようだ」

「このキチ○イが!」
「おとなしくしろ!」

581田中魔王の中の人 ◆5GBapmFDjc :04/03/21 02:57 ID:???
警護に配されていた陸士がパソコンを確保し、二人で男の腕を極め、無力化する。
まぁ、妥当な判断だよなぁ?
ちょっと正気を疑うし、ほっといても面倒だし、関わり合いになりたく無いし……な?
何となく近寄りがたい気がして既知GAYっぽい奴を大回りに避けて……

「まぁ、待ちたまえ。君の名前は?」

床に押さえられた不審者に、奥に座っていた田中議員が立ち上がり声を掛けた。
そのまま押さえられた男の前まで歩いていく。

「辻 晴武(つじ はるのぶ)といいます。ぜひアドバイザーとして置いて下さい」

「今すぐ返事というわけには行かないが、良いかね?
その気があるなら待ってる間に君の現状に対する考察、対処案など纏めておいて欲しい。」

「はっ、はい!喜んでやらせてもらいます!」

田中議員は立ち上がり、俺の方を見ると一瞬だけ笑ったような気がした。
すぐにまた元の場所に戻ったが、陸将となんか相談してるよ……嫌な予感がしてきた。

「早く、早く纏めたいんだ。ささっと行こうよ。」

不審者、もとい辻とかいう奴は本部の外に連れ出され。
というか自分でその場所まで走り出しそうだったが

「……えー、改めて、草鹿一尉出頭いたしました。
それで今度は何をすれば良いんですか?」