自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第19章

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438S・F ◆Pf7jLusqrY
さて、人も殆ど居ないことだし砲撃練習でもしておきますかね。
遅れに遅れて>>143からの続きです。

〜龍は舞い降りた〜

彼は鞍の前に付いている取っ手に掴まると、身体を龍に密着させるようにして
低姿勢を取り、そして同時に龍の尻を鞭で叩く。
次の瞬間、彼の身体は軋むような圧力を前から後ろに受ける。

彼の乗る龍はその薄い翼を目一杯広げ、大鯨に向かって急降下を開始したのだ。
薄刃の刀で空を斬りつける様にして、やかましい大虫を尻目に海面へと突撃していく。

グルンベルクの全身を強い軋みと痛み、そして風を切る轟音と精霊の
平手打ちが襲ったが、龍はその様なことを意に介さないかのように
ぐんぐんと海面に突っ込んで行く。

下方に見えていた大鯨の平たい背中が、どんどん巨大化していく。
その大きさは生半可ではなく、ちょっとした島のようであった。
439名無し三等兵:04/03/20 07:52 ID:???
向こうは向こうで
鉄やマンガンやら銅があるのに、どうやって生命が生まれたのだろう・・・・

大宇宙の神秘だ!

と思ってるだろうな。
440S・F ◆Pf7jLusqrY :04/03/20 08:04 ID:???
>>439 鯨の白い背、その表面にある大きな出っ張りだけでなく、小さな
もの−様々な形をした、奇妙なまでに整った直線と曲線で構成されたそれの
見分けが付くようになりだした。

大方の物は白か赤か茶色しかない鯨の背だったが、その内の一部に奇妙な色の塊があった。
それは背の上にあるどんな物とも違う色をしており、複数の色をごちゃ混ぜにした
奇怪に蠢く塊であった。

その塊から一つだけ小さな塊が離れ、移動を始める。小さな塊はどんどんと
飛行中の龍と彼に近付いていく。視界の殆どが背の白に覆われ始めた頃、
奇妙な色の塊でしかなかったそれの正体がハッキリし始める。

奇妙な色の塊に思えたそれは、明確に意志を持って行動する人間であった。




今回はここまで。