自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第18章

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759名無し志願兵二号
名無し戦記(仮)
5-2

 閣議は紛糾した。
 何処をどうやっても足り無いのだ。食料もエネルギーも。世界から切り離された経済に
関しては、もはや切り捨てることが決まっていた。とにかくは生存が第一とされた。

「やはり全てを国家統制の下に置くしかないか」
「有事法制の拡大解釈により、法制上の問題はクリアーできるはずです」
「次の選挙では勝てそうもないな」
「次の選挙が出来るのならば、それだけでも充分でしょう。今必要な処置を講じなければ、
次の選挙などありませんぞ」
「さよう。餓死者六千万人を出して、混乱の中に滅びるよりはましだ」

 おおよその方針が決まった頃、海上保安庁から連絡が入った。
「九州方面を統括する第七管区より報告。
 センターフィールド・キングダムを名乗る国家の、使者がやってきました」
「それは、つまり、この世界の国家ということだね?」
「そのようです。彼らは英語によく似た言葉を話し、意思の疎通に問題はないとのことで
す。対応の指示を乞うとも言ってきております」
「もちろん丁重に御迎えしろ! 対応は外相に一任する。随時報告を頼むよ」
「判りました。それでは会議も大方決まったようですので、私は省に戻ります」
「頼んだぞ」