日本の主力戦闘機F-15J/DJを語る Part4
F-15J/DJの現状について、軽く、まとめてみる
保有機数
F-15J 158機
F-15DJ 45機
計 203機
F-15J/DJ運用飛行隊 (2003年末現在)
第201飛行隊(千歳) 第203飛行隊(千歳)
第303飛行隊(小松) 第306飛行隊(小松)
第204飛行隊(百里) 第305飛行隊(百里)
第304飛行隊(築城)
飛行教導隊(新田原) 飛行開発実験団
第23飛行隊(新田原)(飛行教育航空隊)
第1術科学校(浜松)
運用中のF-15J/DJのバリエーション(?)1/3
MSIP(多段階改良計画)適用機
1985年度調達分の機体からMSIP適用
J型#899以降、計79機、DJ型#063以降、計36機(うち2機喪失)に適用
それ以前の機体には非適用
変更内容
AN/AWG-20 PACS(Programmable Armament Control Set)の装備
MPCD(Multi-Purpose Color Display)の装備
新型OFP(運用飛翔プログラム)によるコンバータ・プログラムの追加
シグナル・データ・プロセッサへ新型フライト・プログラムの追加
セントラルコンピュータをAP-1Rへ換装
レーダー・プロセッサのメモリ容量の増量
DTM(Data Transfer Module)の装備
VTRスプリット・イメージ・コントロールの装備
内蔵テスト・コントロール・パネルの改修
武器選択スイッチの改善
MIL-STD-1553Bデジタル・データバスの導入など、電気配線もデジタル配線主体に変更
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AAM-4搭載改修機
MSIP適用機にのみ改修可能(デジタル・データバスが必要と言われている)
IRANの際に実施
実施内容
セントラルコンピュータのOFPの改修
(飛行教導隊のAMRAAM搭載改修で作成されたOFPがベース)
PACSの改修
レーダーのOFP改修
指令送信機の搭載
空対空質問送信系の改修
レーダー警戒受信機とECMの改修
LAU-106A/Aランチャの改修
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電子戦システムによる違い
電子戦装備に関しては米国から供与されなかったため、
国内で開発、搭載している
F-15J/DJの国産電子戦システムの現在の構成は
J/APR-4レーダー警戒受信機
J/ALQ-8機上電子妨害装置 (J型のみ)
AN/ALE-45Jチャフ・フレアディスペンサー (ラ国)
J/APQ-1後方警戒装置 . (J型のみ)
となっている
しかし、J/APQ-1の搭載が始まったのは1993年度調達分からであり、
IRANの際改修を行っているとはいえ、全てが揃っている機体の数はまだ少ない
(PreMSIP機でもJ/APQ-1の搭載されてる機体もあれば、その逆の機体もある)
エンジンの換装
87年度調達分から耐久性向上型を、
91年度調達分からF100-IHI-220Eを搭載
それ以前の機体にもF100-IHI-220Eへの換装をIRANの際などに実施
また、少数ながら
J/AQM(空対空ミサイル標的機)運用可能機
AGTS(空中射撃目標照準システム)運用可能機
が存在する
近代化改修関連 1/3
開発スケジュール
F-15の近代化試改修
(その1). 9年度予算 システム設計等
(その2) 10年度予算 基本設計等
(その3) 11年度予算 細部設計等
(その4) 12年度予算 細部設計の残り、及び一部搭載機機の製作
(その5) 13年度予算 試改修機1号機の製作
(その6) 14年度予算 2号機の機体設計及び搭載電子戦機器の購入
(その7) 15年度予算 電子戦機器の補用品などの調達
(その8) 16年度予算 試改修機2号機の製作
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近代化改修問題点など
近代化改修予定はMSIP適用機のみであることから、PreMSIP機の
能力の相対的な低下が懸念されている。
空自は、近代改修機とPre-MSIP機を分け、部隊を再編成する予定だが、
近代化改修の際、外した部品をPre-MSIP機に搭載する案などが出ている。
また、三菱側からPreMSIP機の「MSIP化」提案というものもあるようだが、
今のところ、全て未定
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XAAM-5及び、HMD
XAAM-5
1998年度から開発が始まった新短距離空対空誘導弾
赤外線画像誘導方式を採用することで、探知距離をAAM-3の5倍に延長するとともに、
高いIRCCM能力を得ている
この他にも
大首振り角シーカーの採用によりオフボアサイト能力の向上(180度以上)
従来の、発射前ロックオンに加え、発射後ロックオン機能を取得
(初期は慣性誘導、終末誘導は赤外線画像誘導を使用)
ジェットベーン方式の推力変更制御装置
など、時流にそった能力が揃っている
一方、外形はこれまで装備してきたAIM-9M、AAM-3の前翼、後翼方式とは異なり、
細く長い中央翼と操舵翼である後翼からなっている
(中央翼は、発射直後の急旋回などで揚力と安定性を失わないために備えられている)
また、射程は、AAM-3に比べ、大幅に延びていると言われいる
2003年度では実用試験を行っており、結果に問題なければ、
04式空対空誘導弾として正式採用される見込み
このAAMもまた、MSIP機でのみ運用可能・・・
なお、この試験に用いられてたHMDは島津製作所製の試作品であり、
正式採用の予定は今のところ無い
3/3
ECM装置(射出型)
これまでのECM装置では、妨害電波の発信源をたどるタイプのAAMには
有効でなかったため開発が進められた
チャフ・フレアディスペンサーから放出、母機とは離れた場所で
レーダー・ホーミング・ミサイルに対し妨害をかける事が可能
12年度に航空実験団での実用試験を終え、
13年度から航空総体で運用研究が行われていると言われる
>>39訂正
>また、機内スペースの問題からDJ型には統合電子戦システムの
>搭載は難しいとされ、形態2型のF-15Jは最多でも79機となる
↓
また、機内スペースの問題からDJ型には統合電子戦システム、
全ての搭載は難しいとされる