自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第7章

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737名無し三等兵
・・・・東京都内に住んでいた祖母が亡くなり遺産を相続することになった。
両親もすでになく、兄弟もこれといった親戚もいない為だったが、戦前の中堅地主
の最後の一人だった祖母が堅実な性格だった為か結構な資産を継承した。
堅実だった祖母らしく亡くなる前に懇意にしていた弁護士と相続税他の全てを
処理しており私が行ったことといえば祖母の葬儀と遺品の整理、そして弁護士の
立会いの元、様々な書類に署名捺印をしたことぐらいだった。
とりあえず、贅沢をしなければ孫の代まで食うには困らない程度の資産を有する身と
なり、また継承した資産の七割が国内企業の株だった為異世界転移後の日本でも
資産が減ることはなかった。・・・・いや、外国企業との競争が無くなりこの世界
の帝国からかなりの領土と資源を奪い取った今、増えているというべきだろう。
738名無し三等兵:04/01/05 03:13 ID:nl7KU1+D
元々、勤勉とは言えない性格で気楽な独身暮らしである。
完全に日本領となったこの世界の元帝国都市に別荘がわりの館を構えようと考えたのも
好奇心と暇つぶしからだった。
今だに本土との行き来は完全に自由化されておらず、貨幣レートも日本に有利に決められている
この都市で元は帝国貴族のものだったという館の買取りと現地権力に対する鼻薬は
一年分の配当金にも満たない額で達成された。
これがあるから購入したと言って良い前の主の膨大な蔵書を日本語が堪能な現地人に翻訳させ
帝国撤退後に職を失った元お抱え料理人の作る料理に舌鼓を打つ。
市の祭りや、多くの信者を集める教会への定期的な(この世界では多額の)寄付、
そして、自治政府と自警団上がりの警察に対する献金は私がここでささやかな特権を
持つことを自然と正統化した。
そんなある日、以前とある理由で縛り首から救ってやった盗賊ギルドの幹部から使いが来た。
「旦那さまだからお教えするのですが、・・・実はまもなくここで市がたつんでさあ」
「君たちがいうのだから、表だったものではあるまい。盗品市だね」
「それもあるんですが、一番の売りは人間、しかも若くてきれいな生娘たちなんです」
739名無し三等兵:04/01/05 03:31 ID:???
sageよう、な。
740名無し三等兵:04/01/05 03:34 ID:nl7KU1+D
紫色の髪の男はそこでいったん言葉を切った
「人身売買は日本の法でも自治政府の法でも厳罰がしょされる。君の主は私に
 そのような境遇になれと」
視線に冷たさがにじみ出たのだろう。男は顔色を変えてしゃべり出した
「め、滅相もない。そんなことを親方に言われたらあっしなんざあっという間に
 埋められちまいます。それにこの市には結構なお偉方も参加されるんですぜ。
 娘達は奴隷ですが、法律上は年季奉公ってことになりますから」
「ふん、で、どんな商品がでるんだ。教育も無い田舎娘などは願い下げだよ」
「それが、旦那の国が帝国をやっちまったせいで今回は出物が多いんです。
 なんでも結構上位の帝国貴族が大勢領地や荘園を無くしてますから。
 戦争で家族を失った元令嬢が出品されるという話もあるんでさ」
 後腐れがない奴隷娘か・・・興味はあるな
「判った。面白そうだと親方に伝えてくれ。それと・・・君もご苦労だった。
 飲み代にでもしたまえ」
「金貨を・・・ありがとうございます! 旦那 なんかありましたらこのゴヌフの
 声をかけてくだせい。何でもやりますぜ」
「そうか その時は頼んだよ」
「まかせてくだせえ」