>809様
ごきげんよう。
そして、詳細なレスをありがとうございました。
迫撃砲の特色は、軽易で簡便な構造にあり、自動化された迫撃砲のような野砲まがいの代物では第一線の歩兵の運用には耐えない、というご意見、まことにごもっともと思うものです。
さて、師団の迫撃砲競技会をご覧になれる方でいらっしゃいましたら、陸自が現在主力としております120mmRTが、軟弱地盤では底板ば射撃後「刺さってしまう」という事例についてご存知かと思います。
実は、重迫のみならず、砲兵の砲列をひく上で非常に大きな問題になっているのが、この地盤の問題なのですね。
つまり牽引式の火砲は、大口径になればなるほど、射撃精度と撤収時間の問題から、地面状態が重要になってくるわけです。
すでにご存知のことかと思いますが、火砲はただ砲を牽いて来て据え付ければ射撃可能となるものではありません。
砲列を展開し、基準線を設定し、砲列を隠蔽し、調整所との連絡を確保し、所要の弾薬を集積する。
牽引式火砲に比較して、自走砲が展開速度において圧倒的に優越するのは、これらの作業にかかる時間が極めて短時間であることと、砲列を展開する地面状況の拘束が相対的に緩やかであることがあるわけです。
さて、120mmRT重迫撃砲は、全備重量582kgで、砲弾重量が18.5kg、射程が通常弾で8135mになります。
陸自がかつて試作した68式155mm重迫撃砲は、全備重量が900kgで、砲弾重量が25.5kg、射程が6000mになりました。
開発時期を考えるならば、この68式重迫撃砲は、決して悪くはない、否、ソ連軍のM-1953、160mm重迫撃砲(1700kg/38kg/9600m)に比べてはるかに運用そのものは楽であったでしょう。
しかし、結局これが制式採用されなかったのは、この展開地があまりに限られる、という、その点が問題になったからなのです。
牽引式の重迫は、実のところは120mm以上の大口径のものは、もはや運用上の限界に達していると言っても良いのではないでしょうか。
>818の続きです。
さて、かつてJDW誌が音頭を取って宣伝したにも関わらず、結局あまり流行らなかったものに、英国のL118のような軽量105mm榴弾砲があるのですね。
重量がわずか1800kgで、15kgの榴弾を17km先まで飛ばすことが出来、GPS誘導信管と子弾散布で105Hは軽く大げさにならないし、必要なときに必要な火力を発揮可能である等と、それはもう夢のような話があちこちに出たのです。
が、何しろより大口径の120迫の子弾散布に関してすら、運用側も開発側も否定的であったのです。
とにかく、搭載できる子弾が少なすぎて、威力が足りない。
だから自動迫による高発射速度が必須という話さえ出たのです。
例えば、スイスの開発した自動120mm迫撃砲:
ttp://www.army-technology.com/contractors/armoured/sw_swiss/sw_swiss2.html シンガポールの開発した自動迫撃砲:
ttp://www.stengg.com/land/downloads/la_Srams.pdf 極論を言うならば、牽引式の迫撃砲では、もはや要求される制圧火力を発揮できるかどうか、心もとない。
だから、単位時間あたりの投射弾量を増やし、制圧能力を向上させるしかない。
こうした方向性の元、ニッチ狙いとして自動迫撃砲の開発が行われているわけです。
まして、105mmという今では軽砲というべき火砲では、必要とされる火制効果は見込めないと、各国の装備調達担当者は考えたのでしょう。
さらに、今ではM777という軽量かつ強力な155Hと、120mmRTという手頃な重迫が市場に存在するのですから。
そして、105mm榴弾砲を購入するくらいならば、実はより安くソ連製のD-30・122mm榴弾砲が簡単に手に入るのですね。
21kgの榴弾を、通常弾で15km先に、RAPならば22km先に投射可能で、重量も3000kgしかない。
実は、ニッチとして存在するはずの105mm軽砲の市場は、すでに120mm口径の火砲によって占領されてしまっていたのでした。
蟹氏が以前、96式自走重迫をあまり高く評価していなかったのは、
この流れから行くと、もしかして反動緩衝システムに何か問題があったのでしょうか?
因みに個人的には89式+AMOSをキボンn;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
つーことは迫撃砲だけでいいんだろ
安上がりでいいじゃないか。
MLRSは不要だから削減でいいな?
>>815 >>816 迫撃砲だろうが榴弾砲だろうがFOが頂界線まで出て
反斜面を視認できなければどのみち有効弾は撃てないのではあるが。
今日はつまんねえ煽りが多いなあ
>>822 迫を活かせるのは特科等のバックアップがあってこそであり、迫だけで活躍できるものではない。
あの強力なこんごう型とて、艦隊ユニットの一つに過ぎないのと同じ理屈だね。
FSやAHの対地支援の方が有効なんでないの?
>>826 天候や稼働率、パイロットの疲労を無視して常時飛べるんだったらな。
>>825 護衛艦は単艦で完結してまんがな
むしろPGといった方がよいのでは・・。
>>828 戦闘レベルの完結と、艦艇の完結では意味が違うよ
>820の続きです。
さて私は、極論を言うならば、直射支援火器としての軽砲はほとんど評価してはおりませんのです。
理由は、太平洋戦争中の日本軍の陣地防御の制圧に対して、結局米軍は大損害を出しつつもM4シャーマンを至近距離に接近させて直射で制圧するか、
37mm対戦車砲を至近に隠蔽陣地を構築して展開させ、銃眼に雨霰と徹甲弾を叩き込むか、さもなくば155mm榴弾砲や艦砲の砲弾の雨で問答無用に全てを吹き飛ばすかするしかなかったからなのですね。
ソ連軍が連隊砲兵大隊に122mm榴弾砲を配備して愛用しているのも、連隊砲兵群にグラードPが1個中隊配備されているために瞬間制圧火力で必要な量を確保できるためであり、122mmの直射制圧火力を必要に応じて発揮可能だからであるためでしょう。
しかも、強度の高い陣地を制圧するための支援火器として、わざわざ130mm加濃砲を搭載した重突撃砲を1個中隊6輌も配備し、陣地制圧能力を確保しているのです。
そういえば、ソ連の戦車は、実は徹甲弾と榴弾の搭載比率が3:7なのだそうですね。
現在の軽装甲車輌は、通常7.62mm弾に抗堪可能であり、また榴弾破片に対して耐えられる装甲を搭載するものとされています。
ものによっては、12.7mm弾にも耐えられるだけの装甲を搭載している車輌も多く、これらの軽装甲車輌を榴弾射撃で制圧するためには、やはりそれ相応の口径の火砲が必要となるでしょう。
そして、射撃開始から5分以内に敵を制圧できないと、敵は最初の混乱状態から回復し、対応能力を回復してしまう、という戦訓が第二次大戦の東部戦線で出ています。
単位時間あたりの投射弾量を稼ぐには、発射速度を高めるのと、砲弾効力を向上させるのと、二つの方法があります。
つまり、多数の軽砲で一気に大量の砲弾を発射するか、少数の中重砲で敵を問答無用で吹き飛ばしてしまうか、の、二つなのです。
そして私は、軽砲多数よりは、そこそこの数の中重砲の配備の方が、よりコストパフォーマンスに優れていると、こう判断したのです。
ちなみに予断ですが、これはジュネーブ条約違反ではありますが、黄燐発煙弾と榴弾を混交で射撃した場合、敵に対して与えられる制圧効果は極めて大であるという話もありますね(謎
じゃあやっぱ戦艦だな
江田島に戦艦陸奥の16インチ砲があるだろ
あれだよ
おまいら、突撃支援射撃にたいする歩兵の緊迫距離という基本をわすれてませんか?
戦艦といえば・・・・・・五年位前の軍事研究に、戦艦の艦砲射撃は(射程圏内であるならば)、
空母機動部隊を用いた艦砲射撃より、コストパフォーマンスが高いって話があったなあ。
まあ、最近の空母航空団の対地攻撃力低下を嘆いた、一種の皮肉に近い論調だったけど。
だから猫から超蜂なんだが・・。
>821様
ごきげんよう。
私が96式自走重迫をほとんど評価しないのは、車体規模に比べて中途半端な口径の砲と、運用において事実上牽引式のRTと変わらない能力しかないのと、そのくせあれだけ大掛かりで高価なシステムだからなのですね。
あれでマグナットのような問答無用の大口径重迫を搭載していたならば、私は逆に口を極めて絶賛していましたでしょう。
ttp://jda-clearing.jda.go.jp/kunrei/i_fd/iz1996d8010.html たかだか手動前装式の120mm重迫1門搭載して、この大げささで、しかも重量が20tを超えるのです。
まあ、昔60式APCに107mm重迫をそのまま載せた際に、床板が反動で抜けてしまった、という洒落にならない事態が発生したとはさすがに聞きませんが、しかしこれではいくらなんでも無駄が多すぎるでしょう。
なお、AMOS重迫の主砲が2門存在するのは、最大発射速度時の射撃速度を稼ぐためなのですね。
あのシステムは、曲射も直射も、間接射撃もこなすことの出来る、悪くないものであると、私も思います。
なお、SBCTのストライカーMGSの105mm砲は、私はアメリカ版60式106mmRRSPであると最近示唆されて、目に鱗が飛び込みました(謎
あれは、陸自普通科の対戦車隊の106RRが、対戦車戦闘のみならず、敵の陣地制圧のための直射支援射撃も担当しているのと同様の機能を発揮することが求められていたのですね。
個人的には、直射支援火器は、大口径の機関砲こそ最も適切であると考えるものですが、しかし106mmRRSPのアメリカ版とも思えば、まあ例え28発しか砲弾を搭載できなくても、あれはあれで悪くは無いのではないでしょうか?(謎
>昔60式APCに107mm重迫をそのまま載せた際に、
>床板が反動で抜けてしまった、という洒落にならない事態が発生
73式に重迫を乗せた試作自走重迫を製作した際、床が抜けたかは知りませんが、
車体使用素材の関係から、車体にゆがみが生じたそうです。
96式が120mmRTを乗せるのに贅沢な車体を使っているのは、それで懲りたのかもしれませんね。
>なお、AMOS重迫の主砲が2門存在するのは、最大発射速度時の射撃速度を稼ぐためなのですね。
>あのシステムは、曲射も直射も、間接射撃もこなすことの出来る、悪くないものであると、私も思います。
かてて加えてCV90や89式のように、機動力も装甲防御の高い車体に搭載すれば、
機甲部隊の機動にあわせ、かなり柔軟に使えそうな気がするのです。
あの発射速度なら、重迫砲弾でも破壊力はかなり見込めるものかと。
>SBCTのストライカーMGS
しかしあのサイズを考えると、どうしても「的」になりかねない恐れを感じますね。
60式が普通科支援火力として重宝されることがあるのは、小さくて軽いからではないでしょうか?
やはりここはS氏の60式改良案を(ry
蟹さん、1線の普通科中隊に6インチクラスの迫撃砲弾を大量補給するという
問題については全く言及してないぞ。
そら可能ならば、どこの軍隊でも米軍並の補給を行いたいでしょうが
ヘリ・FSが飛べない天候ではたしてまともな観測ってできるの?
UAVなら代替できるんでないん?
>>838 航空基地と前線じゃ、天候が違う事だってあるでしょーが。
それに対砲迫レーダーだってあるんですぜ?
>>840 歩兵をレーダで捕捉できるわけじゃないでしょ?
>837様
ごきげんよう。
失礼しました、私は普通科中隊に155mm自動重迫を配属するとは、一言も申し上げておりませんが。
連隊が一括して管理し、必要に応じて支援する、という、今の120mmと同様のやり方を前提に書き込みをしておりましたものですから。
それに、ご存知ないのかもしれませんが、私は小隊レベルでの戦車と歩兵分隊と戦闘車を均衡に配備した、均衡編成機甲戦闘群の信奉者ですので、中隊以下の戦闘部隊の直射支援火力は、戦車と戦闘車の主砲で良いのではないかと、考えております。
自動車化された歩兵や、空中機動歩兵につきましては、今現在は、対潜臼砲様の「SBCTの主力は降車歩兵であり、ストライカーはそれに対して支援を与えるためだけの補助器材」というご意見に蒙を開かれ、目に鱗が飛び込んでいる状態にあります(謎
ので、今自信を持ってこれ、と、お答えできかねる状態にあります。
申し訳ありません。